チャンピオンズCと相性がいいキングカメハメハ産駒。芝からダートに転向して躍動する、2頭の血統分析による信頼度は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 芝、ダート問わない「万能種牡馬」として知られるキングカメハメハ産駒だからこそできた芸当だろう。今回のジュンライトボルトの馬齢が、ベルシャザールがダートで活躍し始めた5歳ということも期待させるポイントだ。

 ジュンライトボルトは血統が超一流だ。兄にGⅢ中京記念のグルーヴィットがいて、曽祖母がGⅠオークス、GⅠ天皇賞・秋を勝ったエアグルーヴ。牝系にはルーラーシップ、アドマイヤグルーヴ、ドゥラメンテなどのGⅠ馬がいる。1歳時のセレクトセールでは1億2960万円(税込)で取引された期待馬であり、当初は芝のクラシック戦線を狙ったのも頷ける。

 近親のドゥラメンテは種牡馬となり、タイトルホルダーやスターズオンアースといった芝のクラシックホースの他、今年の地方交流GⅠJBCレディスクラシックを勝ったヴァレーデラルナなど「ダート一流馬」も出している。祖母の父フレンチデピュティも大きなポイントで、直仔クロフネ、サウンドトゥルーがジャパンCダート、チャンピオンズCを勝っており、この血を母の父に持つゴールドドリーム(父ゴールドアリュール)もチャンピオンズCの勝ち馬だ。このレースと縁のある血統であり、重賞勝ちの勢いに乗ってのGⅠ制覇に期待する。

 もう1頭のキングカメハメハ産駒グロリアムンディ(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)も要注意の存在。この馬もGⅢ京都2歳Sで4着となるなど当初は芝戦線で活躍しながら、昨暮れにダートに転向すると、1勝クラスから今年3月の名古屋城S(中京・ダート1800m)まで4連勝した。

 次走のGⅢアンタレスSは2着に敗れたが、勝ったのはGⅠ東京大賞典などGⅠ/地方交流GⅠ5勝の強豪オメガパフュームだった。道中、外々を回って早めに先頭に立ち、同馬から半馬身差の2着という内容はむしろ評価されるもの。今回はGⅠ宝塚記念12着から約5カ月ぶりの実戦となるが、充実の4歳秋ということもあり、大きな成長も期待できそうだ。本命級の評価を与えたい。

 以上、今年のチャンピオンズCはキングカメハメハ産駒の2頭、ジュンライトボルト、グロリアムンディに期待する。

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