テーオーケインズ「1強」のチャンピオンズC。ダート界でもこの秋躍動する3歳世代の逆転はあるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 専門紙記者はそう言うが、懸念材料は他にもある。ジャパンCダートからチャンピオンズCへと名称が変更され、舞台が中京・ダート1800mになってから、連覇を果たした馬は1頭もいない、ということ。ホッコータルマエやクリソベリル、チュウワウィザードといったトップクラスのダート馬でも実現することはできなかった。

 また、JBCクラシックからチャンピオンズCというステップを踏んできた馬が、これら2レースを連勝した例は一度もない。昨年のテーオーケインズを含めて、このステップでチャンピオンズCを制した馬は4頭いるが、いずれもJBCクラシックでは敗れている(JBCレディスクラシック2着から挑んで勝利した2015年のサンビスタは含まない)。

 反対に、JBCクラシックを制してチャンピオンズCに挑んできた馬は延べ7頭いるが、すべてチャンピオンズCでは敗れている(JBCレディスクラシック勝利から挑んで4着に敗れた2014年のサンビスタは含まない)。先に触れたクリソベリルも連覇を狙った2020年、JBCクラッシクを完勝し、チャンピオンズCでは1.4倍という断然の支持を得ながら4着に沈んでいる。

 それだけ、チャンピオンズCの連覇、JBCクラシックとの連勝というのは、ハードルが高いチャレンジと言える。まさしく"重箱の隅"かもしれないが、連覇、JBCクラシックとの連勝を狙うテーオーケインズにはなんとも嫌なデータだ。

 それでも、専門紙記者が先に指摘したとおり、テーオーケインズは今回、かなり相手に恵まれていることは確かだ。少なくとも、すでに勝負づけがすんだ感のある古馬勢に大きな期待はかけられない。

"スキを突く"可能性があるとすれば、まだまだ伸びしろがあり、この秋のGIシリーズでの活躍が際立っている3歳世代だろう。チャンピオンズCには、クラウンプライド(牡3歳)、ノットゥルノ(牡3歳)、ハピ(牡3歳)の3頭がエントリーしている。

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