父系ミスタープロスペクター系が好成績のスプリンターズS。本命は一択も、名牝を母に持つ7歳馬に激走の予感 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 その要因は、GⅠ朝日杯3歳S(芝1600m)などを勝った母の父フジキセキにありそうだ。同馬は種牡馬として、GⅠ皐月賞馬のイスラボニータなどマイル~中距離タイプを出しつつ、スプリンターズSの勝ち馬ストレイトガール、高松宮記念のキンシャサノキセキやファイングレインと、1200mのGⅠでも多くの活躍馬を送り出している。

 前述の2011年2着馬パドトロワとは、父系のフォーティナイナーだけでなく、母の父フジキセキも同じ。さらにGⅢキーンランドCからの臨戦過程や、福島・芝1200mでの勝利があったこと、中山競馬場での実績がなかったことなど、非常に共通点が多い。

 ウインマーベルの戦績を振り返ると、昨年6月にデビューしてから新潟・芝1200mでの初勝利まで6戦を要した。続く福島2歳S(福島・芝1200m)も勝利したものの、重賞初挑戦となった今年3月のGⅢファルコンS(中京・芝1400m)で15着と大敗。だが、同舞台で行なわれた次走の橘Sで勝利すると、続く5月のGⅢ葵S(中京・芝1200m)では1番人気に推され、2着馬に2馬身半差をつけて圧勝している。

 古馬との初対戦となった前走のGⅢキーンランドC(札幌・芝1200m)は好位からスムーズな競馬を進めていた。直線では内から来られて怯んだのか、外にもたれていたのかはわからないが0秒1差の2着という惜敗だった。成長著しい3歳馬だけに、今回の大一番に向けていい経験になっただろう。昨年の勝ち馬ピクシーナイトも3歳馬だっただけに、それに続きたいところだ。

 もう1頭、昨年のスプリンターズSで11着と敗れたジャンダルム(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)は見限れない存在だ。血統としては、母ビリーヴが2002年(新潟で実施)の同レースを勝っている。

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