神戸新聞杯は血統的視点からも1番人気には逆らえない。対抗には母系が欧州クラシック血統の人気薄を狙う (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 もう1頭はそこまで人気にはならないだろうが、父の父にディープインパクトの血を持つ、シルバーステート産駒のリカンカブール(牡3歳、栗東・田中克典厩舎)を推したい。

 同馬は昨年10月の新馬戦で6着と敗れたあと、復帰戦となった今年2月、小倉の未勝利戦(芝2000m)で初勝利。3カ月の休養を経てGⅡ京都新聞杯に出走すると、最低12番人気という評価だったが、勝ったアスクワイルドモアから0秒7差の4着と好走した。そして前走の足立山特別(1勝クラス、小倉・芝2000m)では1番人気に推され、好位4番手追走から早めに抜け出して押し切る"横綱相撲"で完勝した。

 同レースの勝ちタイムは1分57秒6。この夏、小倉・芝2000mで1分58秒を切って勝った馬は4頭いるが、他の3頭はGⅢ小倉記念のマリアエレーナ、3勝クラス・博多Sのルペルカーリア、1勝クラス・国東特別を勝ったのに続き先週のGⅡセントライト記念も勝ったガイアフォースと上級クラスの馬たちだ。中断もありながら、小倉夏開催の終盤に行なわれた足立山特別で好タイムを出したのも評価できるポイントだ。

 父シルバーステートの産駒はこの3歳馬が初年度産駒。GⅢファンタジーSを勝ったのちにGⅠ桜花賞で2着となったウォーターナビレラ、プリンシパルSのセイウンハーデスなどを送り、中京では昨年9月、野路菊S(芝2000m)でロンが2歳コースレコードを記録している。

 母系はデインヒル系のゾファニー、ヌレイエフ系のピヴォタル、ニジンスキー系のカーリアンと、欧州のクラシック戦線で実績があって底力もある種牡馬が並ぶ。近親にはGⅡ阪神大賞典など重賞3勝のシャケトラなどが出ており、この舞台はイメージが合う配合だ。

 以上、今年の神戸新聞杯は、ディープインパクト産駒プラダリアと、ディープインパクトの孫リカンカブールの2頭に期待する。

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