セントライト記念は多くの馬がマークする人気馬の前を行く「逃げる馬」の粘り込みに要注意 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 手綱をとるのは、ベテランの域に入ってきている田辺裕信騎手。この馬がブレイクするかどうかが、今後の彼の騎手人生におけるターニングポイントにもなってきそうな気がしています。その分、田辺騎手自身、士気は高まっているはずです。

 大局的には、このアスクビクターモアを巡る争いという見立てです。ただ、相手の絞り込みに関しては、初顔合わせの馬が多く、能力比較は容易ではありません。

 ですが、そういう意味では、馬券的な妙味は増しそうです。

 そこで、まずは展開面を見ていきましょう。先行馬がそろっていますが、絶対にハナじゃなきゃダメという馬はいません。

 アスクビクターモアも次の菊花賞のことを考えたら、好位で折り合いを重視して運びたいはず。上がり馬として注目を集めるガイアフォース(牡3歳)にしても、ローシャムパーク(牡3歳)にしても、そこまで出脚が速い馬ではなく、どちらも好位でジワッと運んで、勝負どころで押し上げてくる馬です。

 前走で逃げきり勝ちを決めたマテンロウスカイ(牡3歳)も、最初から逃げたかったというよりは、他に誰もこないので、1枠1番という好枠を生かしてそのまま逃げた、というレースに見えました。それまでは差す競馬をしていますし、前走はたまたま逃げきったと考えたほうがいいでしょう。

セントライト記念でハナを主張しそうなショウナンマグマセントライト記念でハナを主張しそうなショウナンマグマこの記事に関連する写真を見る そうしたなか、ハナを主張するとしたら、ショウナンマグマ(牡3歳)ではないでしょうか。1勝クラスを勝った時が逃げきり。前走のGIIIラジオNIKKEI賞でも逃げて2着と好走しました。

 現状、ハナをきることが好結果につながっており、今回は積極的な騎乗が売りの横山武史騎手が手綱をとることからも、同馬が逃げる可能性が大きいと思います。つまり、展開的にはショウナンマグマを先頭に、先に触れた有力な先行勢がそれに続く形と見ています。

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