2022.06.22

宝塚記念に臨むエフフォーリア。トーンが低い陣営…課題は山積みも、巻き返しの可能性はゼロではない

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 それにしても、GI大阪杯(4月3日/阪神・芝2000m)のエフフォーリア(牡4歳)は負けすぎだろう。

 昨年の年度代表馬にして、誰もが認める現役最強馬。当日の単勝が1.5倍と、他を圧倒する人気だったことも頷ける。多くのファンも、関係者も、その人気にふさわしい完勝劇を期待していた。

昨年の年度代表馬エフフォーリア。宝塚記念でその輝きをとり戻せるか昨年の年度代表馬エフフォーリア。宝塚記念でその輝きをとり戻せるか この記事に関連する写真を見る  ところが、である。

 肝心のエフフォーリアはこれといった見せ場もなく、馬群に沈んだ。それまでのキャリア7戦のうち、負けたのはわずかハナ差で敗れたGI日本ダービー(東京・芝2400m)のみ。そんな馬が、なんと勝ったポタジェ(牡5歳)から3馬身以上も離されての9着に終わったのだ。

 レース後、陣営が真っ先に故障を心配した、というのも無理もない。それほど、想定外の惨敗だったのである。

 おかげで、さまざまな敗因が取り沙汰された。レース前から一部で指摘されていた重め残りや、初めて経験する関西への長距離輸送が影響したのではないか。さらには、スタート直前にゲートに突進して顔面を強打したことや、ゲート両脇が牝馬だったことで平常心を失ったのではないか、といった声もあった。

 実際はどうだったのか。関西の競馬専門紙記者はこう分析する。

「(敗因については)いろいろと言われているようですが、とりわけ大きいのは輸送でしょう。それまでの7戦、デビュー戦の札幌を除けば、すべて関東圏の競馬で当日輸送でした。それが大阪杯で初めて、レース2日前の金曜日に関西までの長距離輸送をこなした。

 陣営は当然、その分の消耗を考慮して事前に調整するわけですが、そこにほんの少しの狂いが生じて、それがいろいろなところに波及した。そういうことじゃないかと思います」

 大阪杯のレース後、鞍上の横山武史騎手は「1週前の動きが重かった」とか、「今回は金曜輸送だったので、(レース前に)いつもは乗れる金、土と乗れなかった」など、敗戦の遠因と思われるようなことを漏らしている。思えばそれらはすべて、初の長距離輸送による調整の狂いを示唆していたと言ってもいい。