天皇賞・春は過去と現在の傾向から「大荒れ」確定。穴党記者が高額配当の夢を託した2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 長期休養前には、オープン特別の万葉S(京都・芝3000m)で1着、GIIステイヤーズS(中山・芝3600m)で2着という実績があるように、長距離適性も確か。半兄には4000m強の障害GIで上位に入る実績を持つタガノエスプレッソがおり、スタミナについては血統面の裏づけもあります」

天皇賞・春での大駆けが期待されるタガノディアマンテ天皇賞・春での大駆けが期待されるタガノディアマンテこの記事に関連する写真を見る 父は、冒頭で触れた2012年の大波乱を招いたオルフェーヴル。断然人気で11着に沈んだが、タガノディアマンテはその父の無念を晴らし、父が手にできなかった栄冠を手にできるのだろうか。

「課題は折り合い面となりますが、4月20日の1週前追い切りに騎乗した鞍上の幸英明騎手は『(行きたがる面を見せた)前走はゲート直後に(意図的に前へ)出していったもので、折り合いは大丈夫だと思います』と話していて、そこまで心配する必要はなさそうです。前に壁を作って、馬群でじっと脚をタメることができれば、かなり面白い存在だと思います」

 奥田記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

マイネルファンロン(牡7歳)です。前走のGIIアメリカジョッキークラブC(1月23日/中山・芝2200m)では、11番人気ながら後方から脚を伸ばして2着と奮闘しました。

 同馬への期待は何と言っても、その意外性と晩成血統でしょう。3歳時(2018年)にはGI皐月賞(13着)にも出走した素質馬ですが、古馬になってからも当初目立った活躍を見せたのは、4歳時のGIII函館記念(函館・芝2000m)で2着に入ったことくらい。

 それが、6歳になった昨年、7月のオープン特別・巴賞(函館・芝1800m)で2着と好走。2番手から粘り込んで11戦ぶりの連対を果たすと、そこから2走後のGIII新潟記念(新潟・芝2000m)では、12番人気の低評価を覆して大外一気の差し切り勝ちを決めました。巴賞とは一転したスタイルで、デビュー30戦目にして重賞初制覇を遂げました。

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