天皇賞・春で見逃せない血統的傾向。「未勝利」の血を避け、世界的名血の2頭を狙うべし (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3000m以上のレースは初めてとなるが、2600m戦で勝利もあり、距離延長に不安はなさそうだ。8歳という馬齢も敬遠されそうなファクターだが、2016年には8歳馬カレンミロティックが、13番人気ながらキタサンブラックとハナ差の2着に入っており、気にする必要はないだろう。

 クレッシェンドラヴの母系の血を見ると、母の父は欧州の大種牡馬サドラーズウェルズで、牝系にも欧州の成功種牡馬ドバウィ、さらに英ダービー馬ハイライズ、BCターフのインザウイングスがいる世界的名門。今回が30戦目という豊富なキャリアを活かし、激走に期待したい。

 もう1頭はステイゴールドを父の父に持つマカオンドール(牡4歳、栗東・今野貞一厩舎)を挙げておく。同馬は今年の万葉S(中京・芝3000m)を勝利し、前走のGⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)で4着となってここに臨む。阪神大賞典の内容はやや物足りなかったが、充実著しい4歳馬だけに、巻き返しに期待したい。

 母の父ダルシャーンは仏ダービー馬にして、種牡馬としてもBCターフのコタシャーン、仏ダービーのダラカニ、母の父としても英ダービーのハイシャパラル、凱旋門賞のマリエンバードなどを出している。さらにマカオンドールは、伯父に凱旋門賞馬バゴがいるという名血。良血馬というのは、時に大舞台で予想外の激走をしたり、短期間で目覚ましい成長を見せることがある。マカオンドールにも同様の激走に期待だ。

 以上、今年の天皇賞・春は、ステイゴールドの血を持つ世界的名血の2頭、クレッシェンドラヴとマカオンドールに期待する。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る