高性能エンジンを備えたアスクビクターモア。クラシック戴冠への課題は「折り合いだけ」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第14回:アスクビクターモア

 皐月賞トライアルとしてお馴染みの伝統の一戦、GII弥生賞(中山・芝2000m)。今年は3月6日に行なわれ、アスクビクターモア(牡3歳/父ディープインパクト)が番手から抜け出して、鮮やかな勝利を飾った。

2歳王者ドウデュース(緑帽)の追撃をしのいで、弥生賞を制したアスクビクターモア(ピンク帽)2歳王者ドウデュース(緑帽)の追撃をしのいで、弥生賞を制したアスクビクターモア(ピンク帽)この記事に関連する写真を見る 美浦トレセンの田村康仁厩舎に所属する同馬は、昨夏の2歳新馬(6月26日/東京・芝1800m)でデビュー。スタート直後からかかり気味にレースを運んだこともあって3着に敗れたが、続く2歳未勝利(9月20日/中山・芝1800m)できっちり勝ち上がった。道中は中団を追走し、直線早め先頭からそのまま押しきった。

 3戦目はリステッド競走のアイビーS(10月23日/東京・芝1800m)に参戦。ここでは初戦同様、スタート後にややかかってしまい、直線を迎えてからも前が壁になる苦しい展開を強いられた。最後は内から抜け出しを図るも、勝ったドウデュースらには及ばず、3着に終わった。

 その後、休養を経て年明けの3歳1勝クラス(1月5日/中山・芝2000m)に出走。田辺裕信騎手と新たにコンビを組んで好位で競馬を進めると、直線ではレヴァンジルとの叩き合いを制して2勝目を挙げた。

 そうして、満を持して挑んだ重賞が弥生賞だった。8枠10番スタートだったものの、好スタートをきって1コーナー入口で2番手を確保。以降は逃げるリューベックのあとをスムーズに運んで、直線に入るとすぐさま先頭に立った。

 直線半ばで内のリューベックを競り落とし、GI朝日杯フューチュリティSの覇者ドウデュースらの追撃もしのいで快勝。見事にクラシックへの切符を手にした。

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