高松宮記念、現役屈指の追い込み馬に一発の可能性。マイル実績馬が優位も波乱を起こせるか (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 そんな今年のレースですが、人気を集めそうなのは昨年2着のレシステンシア(牝5歳)。この距離でのGI制覇はないものの、昨年のレースのあともスプリンターズS(10月3日)、海外GIの香港スプリント(12月12日/香港・芝1200m)と、ともに2着と好走。戴冠まであと一歩のところまできています。

 香港スプリントのあとはノーザンファームの外厩で調整され、ぶっつけでの臨戦にも不安はありません。マイルGIを勝っていることを踏まえれば、今年も好勝負を演じてくれるのはないでしょうか。

 レシステンシアと同じくマイルGI馬で、今回初のスプリント戦に挑むグレナディアガーズ(牡4歳)も注目の1頭です。特にこの馬の1200m戦への参戦は、個人的に待ち望んでいたこと。行きたがる気性を考えれば、むしろ1200mでこそ、さらにパフォーマンスを上げてくると見ています。

 また、中京コースでは安定感抜群の騎乗を見せる福永祐一騎手とのコンビも魅力。前走のGII阪神C(12月25日/阪神・芝1400m)ではクリスチャン・デムーロ騎手が手綱をとって後方からの鮮やかな差しきり勝ちを決めましたが、この距離ではある程度のポジションをとって、前を射程圏内に入れた乗り方をしてくるのかな、と思っています。

 マイルGI馬で、今回が初めてのスプリント戦という馬がもう1頭います。サリオス(牡5歳)です。ただこの馬に関しては、少し懐疑的に見ています。というのも、序盤でスピードを生かす馬ではないため、この距離は忙しいのではないか、と思うからです。

 実際、サリオス自身の、3歳以降のレースにおける前半3ハロンの平均タイムは36秒台。いきなりGIの電撃戦のペースについていけるか、不安が大きいです。1200m~1400mの前哨戦を一度使っていれば、馬も対応しやすかったと思うのですが、まったくの未経験ですから、なおさらです。

 一発の可能性を秘める穴馬候補を挙げるとすれば、ナランフレグ(牡6歳)。これまでずっと「左回りの芝1200mがベスト」と言われながら、なかなかこの舞台に駒を進めることができませんでしたが、今年は賞金加算に成功してようやく出走が叶いました。

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