共同通信杯で要注目の地力ある2頭。前走の重賞で力を発揮できずも巻き返しはある

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 3歳クラシックの前哨戦のなかでも、"出世レース"として大きな注目を集めるGIII共同通信杯(東京・芝1800m)が2月13日に行なわれる。

 注目度が高いのは、ここで好走した馬たちの多くがのちのクラシックで結果を残しているからだ。日刊スポーツの松田直樹記者がその詳細について語る。

「共同通信杯は近年、クラシックを占ううえで最重要レースとなっています。過去10年を振り返っても、2012年の勝ち馬ゴールドシップ(皐月賞、菊花賞)、2着ディープブリランテ(ダービー)、2014年の1着イスラボニータ(皐月賞)、2015年の2着ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)、2016年の1着ディーマジェスティ(皐月賞)、2021年の1着エフフォーリア(皐月賞)、3着シャフリヤール(ダービー)といった馬たちが、のちに牡馬三冠レースで戴冠を遂げています。

 クラシック連対馬、または他のGI勝ちまで枠を広げると、ここで好走した馬たちの名前がさらに上がります。共同通信杯は文字どおり"出世レース"と言えますね」

 ここで結果を出すということは、後々まで通用する力があることを示している――まさにそう言っても過言ではないほど、ここからはその後の大舞台で活躍する馬がたくさん出ている。

 一方で意外なのは、1番人気で勝った馬が少ないこと。過去10年では、わずか1頭しかいない。実力馬であることが証明されるのは、あくまでもここで結果を出すこと。つまり、共同通信杯の馬券検討においては、人気よりも、馬の実力を見極めることがカギとなる。

 そのレースの傾向について、松田記者はこう語る。

「レースの中身は、瞬発力重視です。過去10年の20頭の連対馬のうち、12頭(7勝)がメンバー2位以内(タイも含む)の上がりタイムをマーク。2016年、2020年はやや重だったこともありますが、すべての年で前半1000mの通過タイムが60秒以上を要していて、最後のキレ味を求められる傾向にあります」

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