2021.12.09

阪神JFはハービンジャー産駒の「当たり世代」に期待。対抗となりそうなのは?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 12月12日、阪神競馬場でGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行なわれる。

 このレースは2歳牝馬による日本唯一のGⅠレース。昨年の勝ち馬ソダシは今年、無敗のままGⅠ桜花賞を制覇した。さらに過去の勝ち馬を遡っていくと、レシステンシア、ダノンファンタジー、ラッキーライラック、ソウルスターリング、メジャーエンブレムと、近年の勝ち馬は3歳以降もGⅠ戦線で活躍を見せている馬ばかり。今後のためにもしっかり見ておくべきレースだ。

 今年の出走馬で筆者が注目したいのはナミュール(牝2歳/栗東・高野友和厩舎)だ。

「出世レース」の赤松賞を勝利したナミュール「出世レース」の赤松賞を勝利したナミュール この記事に関連する写真を見る  本馬は9月の新馬戦(中京/芝1600m)でデビュー勝ちし、約2カ月後の前走・赤松賞(東京/芝1600m)で2勝目を挙げてここに臨む。その赤松賞の走りが圧巻だった。前半3F35.9秒のややスローな流れを、やや出遅れ気味のスタートから後方を追走。直線で外に出されてからの上がり3Fは33秒0というすばらしい瞬発力で、ゴール前では手綱を抑える余裕も見せながら、2着に1馬身3/4差をつけて快勝した。勝ちタイム1分33秒8もそうだが、勝ち馬としての上がり3F33秒0はレース史上最速タイムだった。

 赤松賞は出世レースとしても有名で、昨年の勝ち馬アカイトリノムスメは今年のGⅠ秋華賞(阪神/芝2000m)を勝利。一昨年の勝ち馬シャインガーネットも昨年のGⅢファルコンS(中京/芝1400m)を勝利している。2009年の勝ち馬でアカイトリノムスメの母でもあるアパパネは、その後に阪神JFを勝ち、翌年は桜花賞、オークス、秋華賞も勝って「牝馬三冠」を達成した。好内容で赤松賞を勝ったナミュールには、今後の出世も大いに期待できる。

 血統も魅力的だ。父ハービンジャーは、GⅠヴィクトリアマイル勝ち馬のノームコア、GⅠマイルチャンピオンシップ勝ち馬のペルシアンナイトなど、マイルのGⅠ馬も出しているが2歳GⅠは未勝利。しかし、今年の2歳馬は本馬の他にもGⅢ新潟2歳S(新潟/芝1600m)で2着のアライバル、紫菊賞(阪神/芝1800m)を勝利したリブーストなど素質馬が目立っており、"当たり世代"になりそうな雰囲気だ。