ジャパンCはディープ産駒の牡馬には「鬼門」。代わって浮上するのは人気薄の牝馬2頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 手塚調教師も『(今回は)メンバーが強いから大きなことは言えないけど、明らかにプラス要素が多く、間違いなく前回以上に動ける。この馬自身、3歳牝馬の中ではトップクラスだと思っているし、斤量差もあるしね』と笑顔を見せていました。

 さらに、調教役の大村泰広調教助手も『体調は確実にアップしている。体も締まってきたし、動きにキレが出てきた』と好感触を得ていて、上積みを保証する様子でした。

 馬力のあるゴールドシップ産駒で、ゴールに向かってじわじわと伸びるロングスパートはジャパンC向きの末脚とも言えます。加えて、斤量53kgなら一発あってもおかしくありません」

 松田記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

シャドウディーヴァ(牝5歳)です。2400m戦は3歳時のオークス以来となりますが、当時も勝ったラヴズオンリーユーに食らいついてコンマ5秒差の6着と善戦。強い5歳牝馬世代の上位グループでずっと奮闘してきていますから、侮れませんよ。

 重賞挑戦18戦目となる前走のGII府中牝馬S(10月16日/東京・芝1800m)で重賞初制覇。直線で前を行く馬群をごぼう抜きし、ハーツクライ産駒の特徴である"晩成"という言葉がぴったりのパフォーマンスを披露しました。GIエリザベス女王杯を制したアカイイトが同レースで7着だったことも、強調材料になるのではないでしょうか。

 また、今回初めてコンビを組む横山典弘騎手もこの馬について、『(以前から)いいイメージがある』と話しているそうですし、管理する斎藤誠厩舎で同馬を担当する相田一善調教助手も、『年を重ねて体質が強化され、体の中からしっかりした印象。ここ最近の感じから、距離にも対応してくれると思う』と前向きにコメント。ユーバーレーベン同様、こちらも楽しみな存在です」

 昨年は1番人気の牝馬が改めてその強さを示したが、今年は人気薄の牝馬が波乱の立役者となるのか。注目のゲートがまもなく開く。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る