フランスで8戦8勝という名牝の弟、友道厩舎期待のアーティットがまもなくデビュー

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Getty Images

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第23回:アーティット

 秋のGIシリーズで熱戦が繰り広げられている一方で、2歳戦線では話題の良血馬や素質馬が続々とデビューしている。そんななか、世界的な名牝の弟として大きな注目を集めている若駒がまもなく初陣を迎える。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアーティット(牡2歳/父ディープインパクト)である。

2016年のフランスオークスを制したアーティットの姉、ラクレソニエール(紫帽)2016年のフランスオークスを制したアーティットの姉、ラクレソニエール(紫帽)この記事に関連する写真を見る 同馬の姉は、2015年にフランスでデビューしたラクレソニエール(牝/父ルアーヴル)。彼女はデビューから無傷の4連勝を飾ると、翌年の始動戦も楽勝し、フランスの3歳牝馬クラシック路線に無敗で駒を進めた。

 そして、クラシックでも快進撃は続いた。日本の桜花賞にあたるGⅠフランス1000ギニー(フランス・芝1600m)を快勝。次戦のGⅠフランスオークス(フランス・芝2100m)も制して、無敗のまま二冠を達成した。

 その後、難なく勝利を飾ったGII戦をステップにして、世界最高峰のGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)へ向かう予定だった。しかし、その直前に故障。多くのファンが心待ちにしていた、大舞台で躍動する同馬の雄姿を見ることはできなかった。

 以降、一度は復帰を目指したものの、結局引退することになったラクレソニエール。現在は日本で繁殖生活を送っており、フランスで8戦8勝という輝かしい成績を残した名牝の子への期待が高まっている。

 その弟ゆえ、アーティットは早くから注目を集めていた。ディープインパクト産駒ということもあって、2020年のセレクトセール(1歳部門)で2億2000万円(税別)という高値で取引された。

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