天皇賞・秋、「負のスパイラル」に陥っているコントレイルの完全復活はあるか
昨年の三冠馬コントレイル(牡4歳)に、今年の皐月賞馬エフフォーリア(牡3歳)、そして女傑グランアレグリア(牝5歳)。今年のGI天皇賞・秋(10月31日/東京・芝2000m)はこの3頭が中心で、「3強の戦い」と見られている。
いずれ劣らぬ実力馬だが、なかでも最も「勝ちたい」と気合が入っているのは、コントレイルではないか。昨年、見事に無敗で三冠を達成したものの、それ以降はGIを2戦して2敗という結果に終わっているからだ。
牡牝の三冠馬3頭の対決で注目を浴びた昨秋のGIジャパンC(東京・芝2400m)2着は、勝ったのが史上最多のGI通算9勝を果たしたアーモンドアイだったことを思えば、それもやむなし。しかしその次、今春のGI大阪杯(4月4日/阪神・芝2000m)3着という結果がいただけない。
勝ったレイパパレはともかく、2着はGIでは"脇役"クラスのモズベッロ。最後の直線で同馬にかわされたうえ、4分の3馬身差をつけられての敗戦は屈辱的なものだった。
敗因は、当日の泥田状態の極悪馬場とされた。コントレイルがスピードと切れ味を身上とすることを思えば、確かに同情の余地はある。だが、それにしても負けすぎではないか、と思うのは筆者だけではないだろう。
コントレイルは、ただの強い馬でも、ただのGI馬でもない。日本の競馬史上にわずか3頭しかいない無敗の三冠馬である。それほど特別な存在だとすれば、あの負け方は"らしく"なかった。
昨年の日本ダービーでは圧倒的な強さを見せたコントレイルだが...この記事に関連する写真を見る
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