2021.10.26

ウマ娘の人気キャラもいっぱい。天皇賞・秋で名馬たちが繰り広げた数々の極上ドラマ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 GⅠレースが連続する秋競馬は、これまで数々の名ストーリーを作ってきた。スマホゲームとして人気の「ウマ娘 プリティダービー」で活躍するキャラクターたちも、この季節に活躍した名馬をモデルにしたケースが多く見られる。

1989年の天皇賞・秋を制したのは「平成三強」の1頭であるスーパークリーク(中央)1989年の天皇賞・秋を制したのは「平成三強」の1頭であるスーパークリーク(中央) この記事に関連する写真を見る  そんな秋競馬の盛り上がりを担うレースのひとつが、GⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)。3歳馬と4歳以上の古馬が初対決することも多く、名勝負が生まれてきた。今年もGⅠ皐月賞を勝ち、GⅠ日本ダービーで2着となった3歳馬エフフォーリアが古馬と初めてぶつかるということで注目を集めている。

 では、過去の天皇賞・秋ではどんな名勝負が繰り広げられてきたのだろうか。ウマ娘のキャラクターと比較しながら、いくつかのレースを振り返ってみたい。

 まず取り上げたいのが1989年、スーパークリークが制した天皇賞・秋である。

 1980年代後半は、まさにスターホースがひしめいていた時期。スーパークリークのライバルには、オグリキャップ、タマモクロス、イナリワンといった名馬がいた。これらの盟友たちは、ウマ娘でもスーパークリークのライバルかつ親友として描かれている。

 1989年の天皇賞・秋は、スーパークリーク、オグリキャップ、イナリワンの3頭が揃ったレース。平成元年という節目だったことから、3頭は当時「平成三強」と呼ばれていた。ウマ娘好きなら知っているとおり、スーパークリークは豊富なスタミナを武器とするステイヤーだったが、どちらかというとスピードが問われる中距離戦の天皇賞・秋で力を見せたのだった。

 当時、東京競馬場の芝2000mはそのコース形態から外枠が"絶対的不利"。最初のコーナーまでが遠く、ロスが発生するためだ。スーパークリークは運悪く大外14番枠で出走。前半の位置取りに苦労するかと思われたが、そこはこの馬で初GⅠを取った武豊の手腕。スタートからスッと前に行くと、いつの間にか3番手をキープ。ベストポジションを奪っていた。

 4コーナーで先頭に並んだスーパークリークに、オグリキャップやメジロアルダンといったライバル勢が襲いかかる。武豊の勝負服は直線入口で一瞬沈みそうになるが、ここからが本領発揮だった。ジョッキーのアクションに着実に反応しながら、ジワジワと内から伸び続ける。ゴールまで押し切ったのだった。