ウマ娘の人気キャラもいっぱい。天皇賞・秋で名馬たちが繰り広げた数々の極上ドラマ (4ページ目)
最後に紹介するのは、2001年の天皇賞・秋。アグネスデジタルが制した年だ。
ウマ娘では、芝・ダート問わないオールラウンダーとして描かれるアグネスデジタル。もちろんこれは、競走馬アグネスデジタルの走りに重ねている。アグネスデジタルは、競馬界を席巻した"二刀流"だった。
ただ、それが物議を醸したのが2001年の天皇賞・秋だった。
アグネスデジタルは、4歳で芝・ダートの両方でGⅠを勝つ快挙を達成。そうして挑んだのが2001年の天皇賞・秋だった。
当時、日本では外国産馬(海外で生産され日本に輸入した馬)が全盛の時代。国内産馬の保護のため、いくつかのGⅠでは外国産馬の出走枠が制限されていた。天皇賞・秋もそのひとつ。枠は2つだった。
この2つの枠を使うのは、メイショウドトウとクロフネになると思われていた。メイショウドトウは春からGⅠで活躍していた古馬の看板馬。一方、クロフネはまだ3歳で、春に初GⅠを制した素質馬。新たなスターホースとして注目を集めていた。
ここに急きょ割って入ったのがアグネスデジタル。こちらも外国産馬であり、当初は出走を予定していなかったが、陣営は参戦を決断。煽りを食らったのがクロフネだった。
出走枠はこれまでの獲得賞金で決まるため、3歳でまだ賞金の少ないクロフネは天皇賞に出走できず。この新星と古馬の初対決を見たかったファンは紛糾。アグネスデジタルへの批判が相次いだ。
だが、その批判をかき消すように、アグネスデジタルは勝利をもぎ取った。絶対的王者として君臨したテイエムオペラオーが先に抜け出したところ、離れた大外からアグネスデジタルが鋭伸。ゴールの瞬間にきっちり捉えた。
この後、アグネスデジタルは香港で行なわれた芝の国際GⅠを勝ち、翌年2月にはダートのGⅠを制覇。芝・ダートでGⅠ4連勝を達成したのである。
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