安田記念は人気落ちGI馬と上がり馬がオイシイ配当を運んできてくれる (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 さて、安田記念では"上がり馬"の健闘も目立っている。

 2011年に5番人気で2着となったストロングリターンは、1600万下(現3勝クラス)の難波S(阪神・芝1800m)、GII京王杯スプリングC(東京・芝1400m)と連勝しての参戦で、2015年に1番人気で勝ったモーリスも、1000万下(現2勝クラス)の若潮賞(中山・芝1600m)、1600万下のスピカS(中山・芝1800m)、GIIIダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)と3連勝中だった。さらに、同年の2着馬ヴァンセンヌ(3番人気)も、500万下(現1勝クラス)から重賞まで4連勝を飾って、前走の京王杯スプリングCでも2着と好走していた。

 加えて、2018年に9番人気で金星を挙げたモズアスコットは、前年に未勝利から4連勝でオープン入り。その後、重賞やオープン特別で善戦を重ねたあと、GI制覇。先に触れたインディチャンプも、2019年の安田記念を勝つ前は、1000万下からGIIIまで3連勝。前走のGIIマイラーズC(京都・芝1600m)で4着となったあとの戴冠だった。

 こうした例から、今年も下級クラスからの上がり馬は無視できない。このタイプとして浮上するのは、カラテ(牡5歳)だ。

 同馬は、昨年12月に2勝クラスを勝ち上がり、年が明けて3勝クラスの若潮S(1月10日/中山・芝1600m)を完勝。前走のGIII東京新聞杯(2月7日/東京・芝1600m)で重賞初制覇を決めた。

 今回はそれ以来の一戦となるが、勢いは十分で、過去の上がり馬たちとかぶる。初のGIの舞台となるが、大駆けがあっても不思議ではない。

 東京マイルと言えば、かつては「実力がモノをいう舞台」とされて人気馬が安定した結果を残してきたが、ここ10年の安田記念は波乱の連続である。ならば今年も、大本命グランアレグリアにひと泡ふかせる存在が登場しておかしくない。それが、ここに挙げた面々の中にいるかもしれない。

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