白熱の日本ダービーを読み解く「3歳牡馬番付」。今年はどんな快挙が? (4ページ目)

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 4位は皐月賞で3着に食い込んだステラヴェローチェ。その結果を受けて、前回5位から1ランク浮上した。

土屋氏
「GIII共同通信杯(2月14日/東京・芝1800m)での5着惨敗には納得いかないものがありましたが、皐月賞ではきっちり巻き返してくれました。ギアの上がりが早いタイプではないため、皐月賞のように各馬の動き出しが早いほうがこの馬には向くような気がします。

 ダービーでも、スローペースからの瞬発力勝負ではなく、消耗戦になれば、もうひとつ順位を上げることは可能でしょう。使い込まれた馬場もプラスに働くと思います」


 5位は、ワンダフルタウングレートマジシャンシャフリヤールの3頭がランクイン。いずれも皐月賞には出走していないため、エフフォーリアとの勝負づけが済んでいない点が評価されたようだ。

土屋氏
「青葉賞の勝ち馬はダービーで勝てない、というジンクスがありますが、そもそも青葉賞は"遅れてきた大物"が活躍するレースで、ダービーの出走権がかかっている分、本番に向けて余力が残りにくい性質があります。

 しかし、ワンダフルタウンは重賞勝ちがあって、すでにダービー出走が確定している状況での参戦。先を見越しての、叩き台としての一戦でした。それでいて、きっちり勝っていますから、今までの青葉賞勝ち馬の枠にはハマらないタイプだと思います」

木南氏
「グレートマジシャンが1勝クラスのセントポーリア賞(1月31日/東京・芝1800m)を勝った翌週、『あの馬、すごいな。GI勝つだろ』と言ったのは、同馬を管理する宮田敬介調教師が調教助手時代の恩師である、国枝栄調教師。全姉が国枝厩舎に所属していたこともあって、注目していたそうです。

 回避馬が出て、運よくダービーのゲートインが叶いました。ただ、"テン乗りは勝てない"のがダービー。勝ち負けを演じるには、そこが気になるところです」

吉田氏
「シャフリヤールは、毎日杯からダービーというローテーション。あまり結果の出ていないパターンですが、この中間はしっかり英気を養って、丹念な調整によって状態を上げてきています。毎日杯と同じくらいの仕上がりで出走できそうです。

 ストライドは小さめ。回転を速めてスピードを生み出すタイプです。小脚が使える点が強みで、ギアチェンジもスムーズです。当日はテンションが上がることなく、好ポジションでタメて速い脚が使える流れになれば、共同通信杯でエフフォーリアに付けられた差(約2馬身半)は、間違いなく縮められるでしょう」

 オークスでは無敗の二冠を狙ったソダシが馬群に沈んだ。はたして、エフフォーリアはどうなのか。評判どおりの強さを見せるのか、はたまた思わぬ伏兵に足元をすくわれるようなことがあるのか。泣いても笑っても、世代最強を決める注目のゲートがまもなく開かれる。

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