ダービーで2冠達成濃厚のエフフォーリア。急成長の1頭の逆転はあるか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 5月30日、東京競馬場でGⅠ日本ダービー(芝2400m)が行なわれる。

 3歳馬の最強馬を決める一戦であり、「競馬の祭典」とも呼ばれ、毎年大きな盛り上がりを見せる日本ダービー。今年の最大の注目は、無敗の皐月賞馬エフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が2冠を達成するかという点だ。

無敗で皐月賞を制したエフフォーリア無敗で皐月賞を制したエフフォーリア 先週のオークスでは、桜花賞馬のソダシが8着に敗れ、"無敗の牝馬2冠馬"誕生はならなかった。ただ、牝馬クラシックは、桜花賞(芝1600m)からオークス(芝2400m)と800mの距離延長があるが、皐月賞(芝2000m)から日本ダービー(芝2400m)は400mとそれほど大きくない。

 過去20年でも、2003年ネオユニヴァース、2005年ディープインパクト、2006年メイショウサムソン、2011年オルフェーヴル、2015年ドゥラメンテ、2020年コントレイルと、6頭の春2冠馬が誕生している。さらに2着が2頭、3着も2頭と、皐月賞馬は日本ダービーでも比較的に大崩れしないデータが残っている。

 さらに、「無敗の皐月賞馬」の日本ダービーの成績に絞ると、1984年のグレード制導入以降は1984年シンボリルドルフ、1991年トウカイテイオー、1992年ミホノブルボン、2005年ディープインパクト、2019年サートゥルナーリア、2020年コントレイルと6頭が出走し、4着に敗れたサートゥルナーリアを除く5頭が勝利している。

 エフフォーリアは前走の皐月賞(中山/芝2000m)で、好位3、4番手追走から鮮やかに抜け出し、2着に3馬身差(0秒5差)をつける強い競馬を見せた。皐月賞で2着に0秒5以上の差をつけて勝った馬は、やはり1984年以降で、1994年のナリタブライアン、2011年のオルフェーヴルの2頭。どちらも日本ダービー、さらに秋の菊花賞も勝って3冠馬になっている。

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