エフフォーリアは絶対じゃない。穴党記者がダービーでの逆転を確信する4頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 春競馬のクライマックスとなるGI日本ダービー(東京・芝2400m)が5月30日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は4勝、2着1回、3着2回とまずまずの成績を残している。ただ一方で、8番人気以下の伏兵馬が馬券圏内(3着以内)に絡んでくることも多く、3連単ではしばしば高配当が生まれている。2018年には5番人気のワグネリアンが1着、4番人気のエポカドーロが2着となって、3着に16番人気のコズミックフォースが突っ込んできて、285万6300円という超高額配当が飛び出した。

 さて、今年は一冠目のGI皐月賞(4月18日/中山・芝2000m)を完勝。昨年のコントレイルに続いて無敗の二冠達成を狙うエフフォーリア(牡3歳)の、断然人気が予想される。日刊スポーツの太田尚樹記者も、「無敗で皐月賞を制したエフフォーリアは、もちろん強いと思います。中山の皐月賞で3馬身以上の差をつけて勝ったのは、1994年のナリタブライアン以来ですからね」と、同馬の強さを認める。

 ただ、この世代の覇権争いにおいて、皐月賞の結果がすべて、とは見ていないようだ。太田記者が続ける。

「皐月賞では、エフフォーリアが最高の立ち回りをしたことも事実でしょうが、ある騎手は『皐月賞の1~4着馬は皆、内ラチ沿いを通ってきた』と指摘。イン有利の馬場に笑った馬と、泣いた馬がいた、ということです。

 加えて、レース全体の上がりが37秒0というタフな馬場で、道悪の得手不得手も問われました。当時の着順と着差がそのまま実力差を反映しているとは思えません」

 デイリー馬三郎の木村拓人記者も、太田記者の意見に同意してこう語る。

「エフフォーリアの前走は、内でじっとしていたら、外でダノンザキッドとアサマノイタズラがやり合ってくれた、という最高の展開となり、結果的にすべてがうまくいきすぎた感がありました。

 逆に今回はマークされる立場で、そういった競馬を経験するのも初めて。鞍上の横山武史騎手も勢いに乗っているとはいえ、ダービーの1番人気は相当なプレッシャーとなるでしょう。特にダービーは周囲からの"圧"も格段に上がりますから、能力は認めつつも、そう簡単に勝てるものではないでしょう」

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