「私にとって特別な馬」堤礼実アナが振り返るJCとアーモンドアイ (3ページ目)
どんなに強い馬が集まっても、勝つのは1頭だけ。少なくとも、コントレイルか、デアリングタクトか、どちらかの無敗は必ず止まります。それどころか、アーモンドアイが勝てば、どちらの記録もストップする可能性もあるわけです。
さらに、アーモンドアイに至っては、このジャパンカップを最後に引退することが決まっていました。勝っても、負けても、アーモンドアイの走りを見るのは、これが最後でしたから......。
「どんな結果になったとしても、どこか寂しい気持ちになるのかな。心の底からいいレースだったとは思えないんじゃないのかな」
そう思ったりもしていたのですが......、フタを開けてみたら、そんなことはまったくありませんでした。
結果として、3歳馬2頭の無敗は止まってしまいましたが、アーモンドアイに負けたのなら仕方がありませんよね。最後の直線の追い込みは圧巻でしたし、来年、再来年と、この2頭がどれだけ強くなっていくのか。それが楽しみになる走りを見せてくれたと思います。
レースが終わったあとのスタジオは、「すごいレースだったね」という雰囲気のなか、みんなで拍手でした。とにかくすばらしいレースでした。そのひと言に尽きますね。
と同時に、私自身、その場に立ち会えたことが、とてもラッキーだったなと感じています。フジテレビに入社するまでは、競馬との接点はなく、競馬番組を担当するようになって、まだ4、5年。そんな私が、これだけの歴史的なレースに立ち会えたのですから。
特にアーモンドアイと出会えたことは幸運でした。
私が競馬番組に携わり始めた頃のスターホースは、キタサンブラック。現役最強馬にして、最も大きな注目を集めている馬でした。その一方で、アーモンドアイはデビューしたての若駒。頭角を現し始めたばかりの頃でした。
当然、知名度ではキタサンブラックには及びません。でも、競馬初心者の私にとっては、妙に親近感を覚える馬だったのです。
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