ジャパンCで空前絶後の3強対決が実現。過去にもあった伝説の3強物語

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 今年のGIジャパンC(11月29日/東京・芝2400m)は、すごいことになりそうだ。日本馬だけでも「これ以上はない」というほどの、夢の対決が実現するのだ。

 先に参戦が伝えられた牡牝の無敗の三冠馬、デアリングタクト(牝3歳)とコントレイル(牡3歳)の対決だけでも、歴史的かつ夢のようなことなのに、三冠牝馬にして、史上初の芝GI8勝を記録した"現役最強馬"アーモンドアイ(牝5歳)までが参戦を表明した。

 これほどの豪華メンバーの共演は、何十年に1回、いや一世紀に1回あるかどうか。もしかすると、もう二度と見られないかもしれない。

 その意味では、この3頭の戦いは、日本の競馬史上最高の「3強対決」と言っていいだろう。その瞬間が来るのが、今から待ち遠しくてたまらない。

 さて、そんなワクワクした思いを膨らませつつ、ここでは過去の「3強対決」を振り返ってみたい。

 競馬史に残る「3強対決」と言えば、まず思い浮かぶのが、1970年代の"TTG対決"である。

 TTGとは、1976年に3歳クラシック(当時の年齢表記は4歳。以下同)を争った同期の、トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスのことだ。

 この3頭による戦いは、当初「東のトウショウボーイvs西のテンポイント」という"TT対決"だった。そこに、クラシック最後の一冠、GI菊花賞を制したグリーングラスが加わって、古馬のGI戦線では「3強」と呼ばれるようになった。

 スピードのトウショウボーイ、万能のテンポイント、遅咲きステイヤーのグリーングラスと、3頭の個性はそれぞれ違った。そして、この3頭の対決で面白いのは、3頭がそろって出走したレース(計3レース)では、この3頭がワン、ツー、スリーでフィニッシュしていることだ。

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