アルゼンチン共和国杯は穴党記者が状態を吟味して選んだ4頭に妙味あり (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

「重賞での好走実績は、年明けのGIIIダイヤモンドS(3着。2月22日/東京・芝3400m)のみ。その後も結果を出せていませんが、それぞれの敗因ははっきりしています。3走前のオープン特別・メトロポリタンS(5月9日/東京・芝2400m)は、直線で進路取りを誤って5着。2走前の目黒記念は外枠発走で、早め早めに動く競馬となって、最後は脚が上がる展開に。そして、前走のGIII七夕賞(7月12日/福島・芝2000m)は、中2週で目黒記念を走って、そこから体調が上がり切る前に使って、12着と凡走してしまいました。

 管理する菊川正達調教師によれば、好走したダイヤモンドSでも『気負っていた』そうです。つまり、オープン入りして以降、満足な競馬が一度もできていないのです。しかし今回は、しっかりリフレッシュして4カ月ぶりの実戦。昇級後、最もいい状態でレースに臨めそうです。しかも、ハンデが55㎏と据え置き。これなら勝負になると思いました。

 菊川調教師も、『じっくり休ませて"ここだ"というレースに合わせて、逆算して調整してきた。体も出来ていて、万全の態勢でいける。舞台も一番合っている条件だと思う』と強気。そもそも東京の芝2400~2500mは、6戦2勝、2着1回、3着1回、着外2回と好相性。ここで、重賞初制覇を果たしてもおかしくないでしょう」

 松田記者はもう1頭、トーセンカンビーナ(牡4歳)の名前を挙げた。

「12着に沈んだ前走のオクトーバーS(10月18日/東京・芝2000m)は、久々の2000m戦で、出遅れたうえに道悪の影響もあって、追走に手間取りました。度外視していい一戦だと思います。

 春はGI天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)で5着、GI宝塚記念(6月28日/阪神・芝2200m)で8着と、GIの壁にぶつかりましたが、その前のGII阪神大賞典(3月22日/阪神・芝3000m)では2着と好走。同レースを制し、今回のレースで1番人気が濃厚なユーキャンスマイル(牡5歳)とはコンマ3秒差でした。その際、ユーキャンスマイルとはマイナス1kgの斤量差でしたが、今回はマイナス3kg差に広がることを考えると、トーセンカンビーナへの妙味が増します」

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