2020.10.14

ウオッカが制したダービーの1番人気は?
無冠に終わった「大物」たち

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

クラシックに縁がなかった馬たち(後編)

◆前編はこちら>>

 トライアルや前哨戦などで結果を出して、クラシックの最有力候補に挙げられながら、結局、ひとつもタイトルを獲れずに終わった馬はごまんといる。

 個人的に思い出深い馬と言えば、2007年のクラシックに臨んだフサイチホウオーと、2014年のクラシックを戦ったトゥザワールドだ。いずれも、典型的な"ツメが甘い"タイプとして記憶に残っている。

デビュー4連勝で挑んだ皐月賞は惜しくも3着だったフサイチホウオー フサイチホウオーは、セレクトセールで1億円(税別)で落札された高額馬。当初は期待どおり、デビューから共同通信杯まで4連勝という快進撃を見せた。そのうち3勝は重賞で、ピカピカの戦績を背負ってクラシックに挑んだ。

 迎えた第1弾の皐月賞。1番人気を譲ったアドマイヤオーラ(4着)と一緒に後方から追い込んだが、先行した2頭をわずかに捕え切れず、3着に終わった。そして、そのレースぶりからダービーでは単勝1.6倍と断然人気となったが、ほとんど見せ場なく、7着に敗れた。

 この時、勝ったのが、ウオッカ。64年ぶりに牝馬でダービーを制したウオッカの名前は、競馬ファンであれば、誰もが知っているだろう。しかし、同ダービーの1番人気は? と聞かれて「フサイチホウオー」と答えられる人は、ほんのひと握りではないか。

 フサイチホウオーは、三冠最後の菊花賞も8着。その後もパッとした成績を残せずに引退した。ダービーで"女の子"に負けたことがよほどショックだったのか。"期待はずれ"の典型のような馬だった。