前行く2頭か、決め手ある2頭か。穴党記者の意見が割れた毎日王冠 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 前走のGII札幌記念(8月23日/札幌・芝2000m)では8着に終わりましたが、3コーナーからGIレベルの強豪馬たちがプレッシャーをかけてくる展開に泣かされました。それでも、勝ち馬から1秒差なら、よくがんばったほうだと思います。

 この中間は、適度に間隔を開けたことで、それなりにフレッシュな状態にあります。そして今回は、出走11頭と少頭数の争いで、同型が"良馬場専用機"と考えていいコントラチェック(牝4歳)しかいないのが好材料です。

 コントラチェックは道悪が不得手。ハナをたたかれると、自分のリズムを失って凡走してしまうタイプです。エプソムCの内容から見ても、馬場適性はトーラスジェミニに分があって、前走に比べて展開も向くと踏んでいます。

 鞍上の木幡育也騎手も、『開幕週ですけど、馬場が渋るようなら』と色気を見せていました。純粋なスピード勝負となれば、重賞実績のある馬たちに見劣りしますが、追い風となる要素が多い今回は、一発あっても不思議ではありません」

 松田記者が挙げるもう1頭は、トーラスジェミニが3着に粘ったエプソムCで鮮やかな勝利を飾ったダイワキャグニー(せん6歳)だ。

「全8勝を東京で挙げているとおり、無類の東京巧者。しかも、馬場不問のタイプです。前走のエプソムCでは不良馬をものともせずに、好位から抜け出して快勝。昨秋には、重馬場のGIジャパンC(東京・芝2400m)で、一線級を相手にして勝ち馬からコンマ7秒差の6着と善戦しています。

 なお、今回は去勢手術明けとなりますが、同馬を管理する菊沢隆徳調教師は『馬房でもおとなしくなった』と、精神面に安定感が出たことをプラスに捉えています。最終追い切りでも好時計をマーク。仕掛けられてからの反応がよく、心身のバランスが整えられた感がありました。エプソムCと同じ舞台で、その時の再現を果たしてもおかしくないでしょう」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る