キングカメハメハの種牡馬界での存在感は
ディープインパクトを上回る

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

ディープインパクトの死で失われる「方程式」>>

 時が経つのは早いもので、8月9日にキングカメハメハの一周忌を迎えた。同年に天に召されたディープインパクトもさることながら、キングカメハメハも日本競馬史上に残る名馬、名種牡馬だった。

2005年のキングカメハメハの種牡馬展示会には多くの人が訪れた2005年のキングカメハメハの種牡馬展示会には多くの人が訪れた 現役時代のキングカメハメハは、3歳春(2004年)にGⅠNHKマイルC(東京/芝1600m)を5馬身差のレースレコードで圧勝すると、続くGⅠ日本ダービー(東京/芝2400m)もコースレコードで完勝。この両レースを制した初の馬となった。その秋に屈腱炎を発症し、わずか8戦7勝のキャリアで引退したが、レースで見せたパフォーマンスは強烈だった。

 4歳という早い時期から種牡馬入りしたキングカメハメハは、順調に活躍馬を送り出していった。2年目産駒のローズキングダムはGⅠ朝日杯フューチュリティSを、アパパネはGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズを勝ち、揃って最優秀2歳牡馬・牝馬のタイトルを獲得。ローズキングダムは3歳時にGⅠジャパンCのタイトルを加え、アパパネはGⅠ桜花賞、GⅠオークス、GⅠ秋華賞も勝って「三冠牝馬」となった。

 アパパネが牝馬三冠を制した2010年、2011年に、キングカメハメハはJRAリーディングサイアーを獲得。日本ダービー馬がJRAリーディングサイアーに輝いたのはディープインパクトより先で、史上初の快挙だった。

 翌年からはディープインパクトにリーディングサイアーの座を奪われるも、2018年まで7年連続2位と、極めて安定した成績を残した。その間に送り出したロードカナロアは、日本調教馬として初めてGⅠ香港スプリントを勝利し、JRA年度代表馬にも輝いた。名牝エアグルーヴ(GⅠオークス、GⅠ天皇賞・秋)を母に持つルーラーシップも、香港のGⅠクイーンエリザベス2世Cを勝利している。

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