2020.05.30

ダービーは2強が断然も一角崩しなるか。
注目馬は皐月賞未出走組にいる

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 鞍上の福永祐一騎手は、2年前にワグネリアンで悲願のダービー制覇を遂げました。あの時も、8枠17番枠から好位を取りにいくという、一世一代の勝負がかかった乗り方をしました。今回も、位置取りへの抜かりはないでしょう。

 ダービーというレースは、一度勝っているのと、勝っていないのとでは、プレッシャーや緊張感がまったく違います。有力馬の手綱を取ることになれば、なおさらです。

 かつては、そうしたプレッシャーに何度か潰されたことがあった福永騎手。しかし、ワグネリアンで勝利を飾って、ついにダービージョッキーとなり、今年の皐月賞をコントレイルで勝って、クラシック完全制覇ジョッキーにもなりました。今なら、ダービーで1番人気の馬に乗っても、過度な緊張はしないはず。自信を持った騎乗で、コントレイルをダービー馬の座に導いてくれるのではないでしょうか。

 片や、サリオスも勝ち負けできる存在です。皐月賞では、距離への不安を完全に払拭する、強い競馬を披露。これまでのレース内容からしても、速い時計が出る東京コースなら、2400mの距離にも十分に対応できるでしょう。

 鞍上は、今年も大活躍のダミアン・レーン騎手。昨年のダービーでは、クリストフ・ルメール騎手の騎乗停止によって、現4歳世代の主役だったサートゥルナーリアの騎乗機会が巡ってきましたが、人気に応えられず4着でした。

 サートゥルナーリアの敗戦は、レース前のイレ込みや出遅れが響いたもので、レーン騎手に非があったとは思いません。ただ一方で、やはりダービーは特別なレースで、強い馬に偶然乗せてもらえたとしても、簡単に勝てるレースではないんだな、とも感じました。

 しかし今年は、新馬戦、皐月賞でも騎乗しているサリオスで参戦。堀宣行厩舎所属で馬とのコンタクトもしっかり取れており、レーン騎手としても、今年のほうが気持ちも入っていることでしょう。チャンスは大いにあります。

 ほかの皐月賞出走馬に関しては、この2頭を逆転するのは難しいと思われます。そうなると、「2強」の一角崩しを期待するなら、皐月賞には出走していない、「2強」との勝負づけが済んでいない馬、ということになります。

 ただ、トライアルのGII青葉賞(5月2日/東京・芝2400m)を勝ったオーソリティが骨折で回避。ほかの前哨戦、GII京都新聞杯(5月9日/京都・芝2200m)、オープン特別のプリンシパルS(5月9日/東京・芝2000m)と、いずれも皐月賞出走馬が勝利したため、皐月賞に出ていなかった馬となると、5頭しかいません。