ダービーは2強が断然も一角崩しなるか。注目馬は皐月賞未出走組にいる

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 世代の頂点を決めるGI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)がいよいよ行なわれます。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、競馬も普通どおりとはいかず、無観客での開催となっています。当初は、「このまま開催が続けられるのか」「一生に一度のクラシック競走を行なうことができるのか」といった不安もありましたが、ここまでおよそ3カ月、細心の注意を払って開催を続けることができました。JRAや関係者の方々には、大いに感謝をしつつ、今年も無事に行なわれる"競馬の祭典"を見届けたいと思います。

 クラシック第1弾となるGI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)は、コントレイル(牡3歳)とサリオス(牡3歳)の、無敗のGI馬同士がマッチレースを展開。最後は、コントレイルがサリオスを半馬身突き放して、一冠目を手にしました。

 この争いから3馬身半差遅れて、3着のガロアクリーク(牡3歳)が入線。上位2頭と、3着以下の馬たちとの差は決定的だと感じました。コースと距離が変わっても、そう簡単に埋められる差ではないでしょう。

 そうなると、ダービーでも中心となるのは、コントレイルとサリオスの2頭ということになります。とりわけ、先週のオークスを勝ったデアリングタクトに続いて、無敗の二冠制覇がかかるコントレイルは、最有力のダービー馬候補と考えていいと思います。

 皐月賞では中山最終週の荒れた馬場を気にしてか、コントレイルはスタート後、スムーズに前へ進んでいきませんでした。そのため、これまでとは違って、後方からの競馬となってしまいましたが、3コーナー過ぎから大外を進出していって差し切り勝ち。結果的に、これまで以上の強さを見せつけるとともに、2400mを走るダービーへの目処が立つ、勝ち方ができたと言えます。

 今回、気をつけるべきは、皐月賞でああいう競馬ができたからといって、安易に後ろから進める競馬をしないことでしょう。ダービーは、コースが替わって馬場がいいという面もありますが、世代屈指の18頭が集結するレースです。直線まで後方に位置する追い込み競馬では、なかなか勝ち切ることができないからです。

 ともあれ、コントレイルはこれまで、楽に好位につけるスピードを見せていました。前走こそ、馬場を気にして後方からの競馬となりましたが、今回は本来の好位につけるレースに徹するでしょう。最低でも中団、道中10番手以内で運べれば、問題ないと思います。

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