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天皇賞・春の本命は、血統より
ステップレースとの相性を重視

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 5月3日、京都競馬場で伝統のGⅠ・第161回天皇賞・春(芝3200m)が行なわれる。

 今年はドバイ国際競走の中止などがあり、多くの有力馬の予定が狂ったが、昨年の勝ち馬フィエールマン、2017年の菊花賞馬キセキなどが、当初の予定どおりにこのレースに出走。GⅡ阪神大賞典(阪神/芝3000m)、GⅡ日経賞(中山/芝2500m)と、ふたつの重要なステップレースの1着~3着馬がすべて出走予定となっており、勢いのある馬が揃って古馬の長距離ナンバーワンを争う。

 今年の出走馬の中で筆者が期待するのは、阪神大賞典でも本命に推したユーキャンスマイル(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)だ。

 その阪神大賞典の走りは、本番の天皇賞・春に向けて実にいい内容だった。3月15日のGⅡ金鯱賞から始動予定だったのを疲れから1週延ばし、必ずしも万全の状態ではなく、馬体重もプラス12kgで過去最高重量。それでも、レースではいつものように後方から進めながら、直線入り口では先行集団のすぐ後ろにとりつき、直線では馬群を割って力強い伸びを見せた。

 ゴール前では手綱を抑える余裕も見せ、後続には1馬身3/4差。勝ちタイム3分03秒0は(阪神/芝3000mで行なわれた阪神大賞典で)歴代3位となる好タイムだ。

 阪神大賞典と天皇賞・春は関わりが深い。阪神大賞典の施行時期が12月から3月に変更された1987年から昨年にかけての33回で、阪神大賞典から天皇賞・春に臨んだ馬は13頭が優勝。そのうち11頭が両レースを勝っている。前走で阪神大賞典を勝った馬の天皇賞・春の勝率は35.5%と、実に高い数字が残っている。

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