1着賞金はなんと11億円。今年から始まったサウジCの実態に迫る (4ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 ドバイと勝負をする、というつもりは一切ありません。いい関係を保ちつつ、同じように発展していければと思っています」

 レースを終えた騎手たちからは、「ダートは走りやすいけど、力を消耗する」「芝は、終(しま)いが意外と伸びにくい」など、さまざまな感想が聞かれたが、コースについての評価は「走りやすい」と、概ね好評だった。

 時期的にも、おおそよ3月末に開催されるドバイワールドカップデーへとつながるベストのタイミングで、世界の競馬サークルに向けてのローンチは、まずは大成功だったと言える。

 ただ一方で、王族の"鶴のひと声"によって、レース名が開催直前までに何度も変わったり、関係者への対応が後手に回ったりといった不備も見られた。観光客を迎えて開催するにしても、まだまだハードルが高い。

 また、"王族の施し"があってこそ、という点は否めず、興行として成熟させていくためには、そこが大きな課題となる。その辺りは今後、王族関係者と時間を重ねながらうまく調整していく必要があるだろう。

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