クリスタルブラック、古馬相手にも劣らぬ末脚がクラシックでも炸裂か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 このレースでも、クリスタルブラックは道中、やや引っかかりながら後方で待機。4コーナーの時点でも、後方10番手に位置していた。

 その間、人気のスカイグルーヴは悠々と先頭に躍り出て、そのまま突き抜けていきそうだった。その走りを見て、おそらく多くのファンや関係者が、同馬の勝利を確信したことだろう。

 ところが、デビュー戦と同じく大外に持ち出したクリスタルブラックが、直線を迎えた瞬間に凄まじい末脚を炸裂させる。スカイグルーヴに引き離された面々をあっさり捕らえ、前を行くスカイグルーヴにも一完歩ずつ詰め寄っていった。そして、ゴール直前にきっちりかわして快勝。見事に強敵を下して、デビュー2連勝で重賞制覇を遂げた。

 この結果、一躍注目を集めることになったクリスタルブラック。同馬を間近で見てきたスタッフは、早くからその素質の高さを感じていたという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「クリスタルブラックは、牧場時代からスタッフが高く評価していた存在だったみたいです。デビュー前の調教でも、2勝クラスの古馬と互角に走っていて、スタッフは(結果を出せる)手応えを感じていたそうですよ。

 その手応えが確信に変わったのが、新馬戦での走り。同馬はそこで、34秒4という上がりをマーク。厩舎スタッフによれば、古馬を含めたその日の芝レース全体で、2番目の記録だったそうです。それで『この馬は走る』と、あらためて感じたようです」

 さらに厩舎スタッフは、京成杯の結果を受けて、この馬の能力に一段と驚かされたという。先述のトラックマンが続ける。

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