ホープフルSは「ディープ産駒の最高傑作」
中心。ハーツクライ産駒も侮れず

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 12月28日、中山競馬場で2歳馬によるGⅠホープフルS(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは2017年からGⅠに昇格。昨年の勝ち馬サートゥルナーリアは今年のGⅠ皐月賞(中山/芝2000m)を勝ち、GⅡ時代の2016年の勝ち馬レイデオロも翌年の日本ダービー馬となったように、翌年の"クラシック戦線"を占う上でも必見のレースだ。

 2歳牡馬が出走可能なGⅠレースは、今月15日にGⅠ朝日杯フューチュリティS(阪神/芝1600m)が行なわれ、ハーツクライ産駒のサリオスが強いレースを見せた。このホープフルSにも、来年のクラシック戦線で人気を集めるだろう馬が出走する。

 この筆頭がコントレイル(牡2歳/栗東・矢作芳人厩舎)だ。

前走の東京スポーツ杯2歳Sを制したコントレイル前走の東京スポーツ杯2歳Sを制したコントレイル デビュー2連勝で制した、前走のGⅢ東京スポーツ杯2歳S(東京/芝1800m)の走りは驚異的だった。勝ちタイムは1分44秒5という、従来のレコードを1秒1も破る2歳日本レコード。2着のアルジャンナには5馬身差をつけた。

このレースは2017年ワグネリアン、2013年イスラボニータ、2011年ディープブリランテと、過去に3頭のクラシックホースが出ている出世レース。その24回の歴史の中で最大着差を記録したインパクトは大きく、「ディープインパクト産駒の最高傑作誕生か」という声も聞こえてきている。

 血統も極めて優秀だ。祖母フォルクローレは、米GⅠBCジュヴェナイルフィリーズ(ダート8.5F)などGⅠを2勝した、米2歳牝馬チャンピオン。ディープインパクト産駒で、母の父がアンブライドルズソングという配合は、2014年の朝日杯フューチュリティSの勝ち馬ダノンプラチナと同じ。さらに3代母の父ストームキャットは、ディープインパクトとの間にキズナ(日本ダービー)、ラヴズオンリーユー(オークス)など多くの活躍馬を出すニックス血脈だ。

 祖母フォルクローレはダート7ハロン(約1400m)の愛GⅠメイトロンSを14馬身差で勝ったようなスピード馬なので、ややスピード寄りの血統とも言える。それでも、1800mであれだけのパフォーマンスを見せた馬が、2000mでまったくダメというということは考えにくく、今回も中心になるだろう。

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