朝日杯フューチュリティSは血統に注目。
「今が旬」の良血馬が2頭いる

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 12月15日、阪神競馬場で2歳馬によるGⅠ朝日杯フューチュリティS(芝1600m)が行なわれる。このレースは、1949年の創設から2013年の65回まで中山競馬場で行なわれていたが、2014年から阪神競馬場に変更となり、今年で6回目を迎える。

 昨年の勝ち馬アドマイヤマーズはその後、GⅠNHKマイルC(東京/芝1600m)、先週のGⅠ香港マイル(シャティン/芝1600m)を勝利。一昨年の勝ち馬ダノンプレミアムも、この秋のGⅠ天皇賞・秋(東京/芝2000m)で2着、GIマイルチャンピオンシップ(京都/芝1600m)で2着とGIレースを沸かせた。今年も「次代のニュースター誕生なるか」に注目する人が多いだろう。

 ここ6年の朝日杯フューチュリティSの血統的傾向を見ると、強いのはやはりディープインパクト産駒。9頭が出走して3勝、2着1回、3着2回と、勝率33.3%、連対率44.4%という高い数字を誇っている。

 今年の出走馬はレッドベルジュール(牡2歳/栗東・藤原英昭厩舎)1頭のみ。6月23日の新馬戦(阪神/芝1800m)を勝利し、前走のGⅡデイリー杯2歳S(京都/芝1600m)はプラス28キロという大きな馬体増をものともせず、デビュー2連勝で重賞ウイナーとなっている。

前走のデイリー杯2歳Sを制したレッドベルジュール前走のデイリー杯2歳Sを制したレッドベルジュール その前走はスタートで大きく出遅れて後方2番手からの追走となったが、直線で最内からスパッと伸び、あっという間に1馬身半差抜け出す快勝だった。道中は最短コースを通り、最内が開いたラッキーな面はあったが、それを差し引いても評価できる内容だった。

 続いて血統を見てみよう。全姉レッドベルローズが昨年のGⅢフェアリーS(中山/芝1600m)で3着、同じく全姉のレッドベルディエスは今年9月のGⅢ紫苑S4着と、重賞で好走。伯母インランジェリーは米GⅠスピンスターS(ダート9F)勝ち馬という良血だ。

 ディープインパクト産駒で母の父がアンブライドルズソングという配合は、2014年の
勝ち馬ダノンプラチナと同じ。さらに、現2歳で、GⅢ東京スポーツ杯2歳S(東京/芝1800m)をレコード勝ちしたコントレイルとも同じだ。コントレイルとは母系にストームキャットを持つのも共通しており、この配合パターンが、2歳GⅠ戦線と来年の牡馬クラシックを席巻しそうな勢いさえある。無傷の3連勝でGⅠ制覇なるか注目したい。

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