スランプに陥ったダービー馬レイデオロ。ジャパンCでの復活はあるか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 今年のGIジャパンC(11月24日/東京・芝2400m)は、ここ4年間のダービー馬のうち、今春の日本ダービー(東京・芝2400m)を制したロジャーバローズ(引退)を除く3頭が出走する。

 2016年のマカヒキ(牡6歳)、2017年のレイデオロ(牡5歳)、2018年のワグネリアン(牡4歳)だ。

「ダービー馬3頭が激突!」となれば、普通は競馬ファンの興味を大いにかき立てるものだが、残念ながら、今年の"3頭激突"にはそれほどの盛り上がりはない。

 3頭とも、このところの成績が芳しくなく、"ダービー馬"という看板がやや色あせてしまっているからだ。

 それでも、唯一レイデオロは、今回も上位人気は確実で、勝ち負けの期待がかかっている。

 他の2頭は、古馬になってからGIを勝てていないが、レイデオロは昨年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝っており、続くGI有馬記念(中山・芝2500m)でも2着と好走している。その点で、同じダービー馬でも「他の2頭とは違う」、あるいは「一枚上」と見られており、多くのファンが「次こそは」という期待を捨てられずにいる。

 その一方で、レイデオロが競走馬として、「超一流の輝きを見せたのは、昨年まで。今年に入ってからは、さっぱり」と指摘する声もある。

 たしかに、今年は3月のGIドバイシーマクラシック(3月30日/UAE・芝2410m)で6着と惨敗すると、帰国初戦のGI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)でも勝ち馬から大差をつけられての5着に終わった。さらに、夏場の休養を挟んで臨んだ前走のGIIオールカマー(9月22日/中山・芝2200m)でも、1番人気を裏切って4着に沈んだ。

 こうした状況にあって、はたしてジャパンCでの巻き返しはあるのだろうか。

レイデオロはジャパンCでかつての輝きを取り戻せるかレイデオロはジャパンCでかつての輝きを取り戻せるか「厳しいでしょう」と語るのは、競馬専門紙記者である。その理由については、「前走、オールカマーの内容がひどすぎるから」と言う。

「オールカマーでは、鞍上が主戦のクリストフ・ルメール騎手から、福永祐一騎手に乗り替わっていました。福永騎手に近い関係者によれば、『このレースだけ、ジャパンC前のひと叩きのつもりで乗ってほしい』という依頼だったそうです。つまり、もともと負けることは、ある程度覚悟したうえでのレースだったということです。

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