外国馬がいないジャパンC。実績薄いが
成長著しい4歳馬2頭に期待

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 11月24日、東京競馬場で3歳以上によるGⅠジャパンC(芝2400m)が行なわれる。

 今年は39回目にして初めて外国馬の参戦がないが、外国馬が馬券に絡んだのは2006年3着のウィジャボードが最後。近年は日本馬が中心になっているため、大きな影響はないだろう。

 そんな日本馬も、昨年の同レースを日本レコードで勝利し、前走のGⅠ天皇賞・秋を勝った"現役最強馬"のアーモンドアイや、菊花賞馬ワールドプレミアなど、3歳のGⅠ馬は出走しない。しかし2017年の勝ち馬シュヴァルグランを含め、3歳以外のGⅠ馬は5頭出走。マカヒキ、レイデオロ、ワグネリアンと、3世代のダービー馬が揃って出走してきそうで、実績馬は揃っている。

 過去30回のジャパンC勝ち馬の馬齢を見ると、3歳馬5勝、4歳馬15勝、5歳馬8勝、6歳馬2勝と、4歳馬が圧倒的な数字を残している。5歳馬にはレイデオロ(2017年日本ダービー、2018年天皇賞・秋)、スワーヴリチャード(2018年大阪杯)といったGⅠ馬もいるが、2頭とも1年以上勝利から遠ざかっているため、今回は4歳馬から狙ってみたい。

 4歳馬の中でも、筆者が特に期待するのがユーキャンスマイル(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)だ。

前走の天皇賞・秋で好走したユーキャンスマイル前走の天皇賞・秋で好走したユーキャンスマイル 昨年秋、10番人気で出走したGⅠ菊花賞(京都/芝3000m)で1着と0秒2差の3着に入り、今年のGⅢダイヤモンドS(東京/芝3400m)で重賞初制覇。夏のGⅢ新潟記念(新潟/芝2000m)で重賞2勝目を挙げ、前走のGⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)では4着。勝ったアーモンドアイには0秒6離されたが、2着ダノンプレミアムとは0秒1の僅差だった。

 菊花賞3着、ダイヤモンドS勝利という実績からステイヤー(長距離馬)に見られがちだが、この馬は単なるスタミナ馬ではなく、非凡な瞬発力の持ち主だ。前走の天皇賞・秋でも上がり3F33秒7と、アーモンドアイの33秒8を上回る、メンバー中最速のタイムを記録。そのレースを含め、これまで上がり3F33秒台を4回、メンバー中最速タイムを7回記録している。

 さらに左回りのコースは、天皇賞・秋で4着、新潟記念、ダイヤモンドSのほかに3歳6月の阿賀野川特別(新潟/芝2200m)も勝利しており4戦3勝。2400mは初めてとなるが、2000mでも3400mでも勝利している馬だけに、問題はないだろう。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る