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マイルCSの歴史、舞台、展開...を読み切った穴党記者が推す3頭の穴馬

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 マイル戦線における最強馬を決するGIマイルCS(京都・芝1600m)が11月17日に行なわれる。

 不利の少ない京都の外回りコースが舞台となるが、1番人気は過去10年で1勝、2着2回、3着2回、着外5回。最後に勝ったのは10年前のカンパニーで、連対したのも7年前のグランプリボスが最後と、やや信頼度に欠ける。そのうえ、極端な枠の馬の好走例が多く、波乱傾向が強いGI戦と言える。

 今年は、ダノンキングリー(牡3歳)とダノンプレミアム(牡4歳)の「2強」といった様相だが、はたしてどうか。デイリー馬三郎の吉田順一記者は、過去の例に違わず、「2強」に対しても「全面的な信頼は置けない」と語る。

「ダノンキングリーは、デビューからすべてのレースで鞍上を務めてきた戸崎圭太騎手が負傷療養中。横山典弘騎手に乗り替わることになりました。加えて、前走・GII毎日王冠(1着。10月6日/東京・芝1800m)の決め脚は際立っていましたが、勝気な気性ゆえ、初めての長距離輸送がどう出るか。前走、出遅れがあったことも忘れてはいけません。

 ダノンプレミアムは、好メンバーがそろった前走のGI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)でハイパフォーマンスを発揮して2着。この馬の能力の高さを再確認できましたが、中5週以上の間隔でしか使ってこなかった馬が、今回は中2週での競馬。しかも、激走後、というのが気になります。エクイロックス(接着装蹄)を装着しているように、もともと爪の薄いタイプ。克服するべき課題は、多い印象を受けます」

 また、吉田記者は今の京都の馬場に着目。それが、波乱ムードに一段と拍車をかけていると言う。

「この10月の京都競馬場は、とにかく雨にたたられました。それは、今月に入っても当然影響しており、高速馬場の決着は皆無に等しいです。今週から、3m外に仮柵を設けたCコースを使用し、比較的荒れていない芝でのレースになるとはいえ、これまでと状況が一変するようなことは考えられません。少しでも時計がかかれば、チャンスのある馬が増えるのは確かで、一筋縄では収まらないのではないでしょうか」

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