天皇賞・秋は2強が断然ムードも「劇薬」背にしたあの馬が一角崩すか

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋のGIシリーズは今週、京都から東京に舞台を移して、GI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)が行なわれます。

 昨年の天皇賞・秋の際には、13頭立てながら7頭ものGI馬が参戦し、「豪華な顔ぶれがそろった」と話した記憶があるのですが、今年はなんと、出走16頭のうち10頭がGI馬という、昨年を上回る"超豪華なメンバー"が一堂に会すことになりました。

 しかも、昨年はいずれも故障やローテーションの関係で出てこなかったアーモンドアイ(牝4歳)、ワグネリアン(牡4歳)、ダノンプレミアム(牡4歳)という4歳世代のトップクラスが集結。そこに、サートゥルナーリア(牡3歳)という3歳世代の超大物も加わって、純粋にレースを見ることが楽しみで仕方がありません。

 さて、非常にゴージャスなメンバー構成となった天皇賞・秋ですが、世間的にはアーモンドアイとサートゥルナーリアの"一騎討ち"といったムードが充満しています。

 この見方に関して、僕としても概ね同意見です。アーモンドアイとサートゥルナーリアの2頭は、他のGI馬たちと比べても、競走馬としてのポテンシャル、奥深さが、ひと回り違うように思われます。6割、いや7割の確率で、この2頭による決着になるのではないか、と考えています。

「九分九厘」とか「9割方」といった言い方までしたくないのは、当然のことですが、競馬には「絶対」がないからです。

 実際、アーモンドアイは前走、GI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)で「2強」と言われたダノンプレミアムとともに、スタート直後に大きな不利を受けて、結果は3着。ゴール前の脚色からして、不利がなければアーモンドアイの楽勝だったかもしれませんが、そうやって実力どおりに収まらないのが、競馬の恐ろしいところです。

「2頭で絶対に決まり!」とまで言えないのは、もうひとつ理由があって、サートゥルナーリアにはまだ全幅の信頼を置けないからです。

 快勝した前走、GII神戸新聞杯(9月22日/阪神・芝2400m)のパフォーマンスは本当に見事でしたし、サートゥルナーリアが3歳世代のトップ、それどころか日本の現役馬すべての中でも、最強クラスの能力を秘めていることは疑いようがありません。

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