菊花賞は春の実績馬が手薄。夏の上がり馬2頭に一発チャンスが膨らむ

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 まずは、先の台風19号により被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興を願っております。

 その台風19号により、中央競馬も土日の東京開催が中止・順延となりました。先週は3日間開催でしたが、月曜日開催分はそのまま行なわれ、土曜日開催分が10月15日(火)に代替開催され、日曜日開催分は10月21日(月)に代替開催されることになりました。関係者の苦労には計り知れないものがあります。

 競馬界にとって、不幸中の幸いだったのは、競馬場や美浦トレセンといった施設が直接的な被害を受けなかったことです。僕は、現在も美浦村に住んでいるのですが、この辺りは雨雲の本体から外れたようで、警戒していたほど、多くの雨は降りませんでした。

 とはいえ、北関東や東北地方では、日ごとに被害の大きさが明らかになっており、被災地の状況を目にするたびに心が痛みます。競馬が毎週開催されるというのは、決して当たり前のことではないと、あらためて痛感させられています。

 さて、今週は京都で牡馬クラシックの最後の一冠、GI菊花賞(10月20日/京都・芝3000m)が行なわれます。

 秋の3歳牡馬トップを決める一戦ですが、今年は例年以上に難しいメンバー構成になったように思います。昔から、3000mという距離を嫌って、春の実績上位馬が菊花賞を避けることは少なくありませんでしたが、今年は皐月賞馬、ダービー馬に加え、トライアルのGII神戸新聞杯(9月22日/阪神・芝2400m)、GIIセントライト記念(9月16日/中山・芝2200m)の勝ち馬までも不在、という状況になってしまいましたからね。

 ダービー馬のロジャーバローズは引退。セントライト記念の勝ち馬リオンリオンは故障による戦線離脱なので仕方がありません。ダービー2着のダノンキングリーも、当初から今後の主戦場を中距離路線と決めて、GII毎日王冠(10月6日/東京・芝1800m)から始動しているので、菊花賞に出てこないのは当然でしょう。

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