2019.07.28

「走り出すとどこまでもいく」
アメリカの名牝の初子、アルジャンナ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第10回:アルジャンナ

 すでに活躍馬を多く出している繁殖牝馬の子が、デビュー前から話題となるのは当然のこと。また一方で、現役時代に活躍した名牝の、世に送り出される”初めての産駒”となれば、同様に大きな注目を集める。

 デビューを控えた今年の2歳馬の中にも、そうした注目馬がいる。栗東トレセンの池江泰寿厩舎に所属するアルジャンナ(牡2歳/父ディープインパクト)である。

高いレベルで調整されてきたアルジャンナ 同馬は、母コンドコマンドの初子となる。コンドコマンドは、アメリカで活躍した名牝。2014年にデビューすると、その年に2歳馬によるGIスピナウェイS(アメリカ・ダート1400m)を快勝し、キャリア早々にGIタイトルを手にした。

 しかも、その内容が圧巻だった。コンドコマンドはスタートで出遅れたが、3コーナー手前で早くも先頭へ。直線に入るとさらに後続を引き離し、終わってみれば、2着に13馬身差をつける圧勝劇を演じたのだ。

 GI勝ちは同レースのみに終わったが、以降、同馬はGIIを2勝し、8戦5勝の戦績で2015年に引退した。その後、繁殖牝馬として来日。リーディング種牡馬のディープインパクトと交配し、生まれた初子がアルジャンナである。

 この若駒は、2017年の競走馬のセリ市「セレクトセール」で1億7000万円(税別)の高値で落札された。それだけでも、同馬への期待の高さがわかる。

 実際、同馬の育成に関わった人たちの評価もすこぶる高い。ノーザンファーム空港牧場の佐々木淳吏氏は、春の取材でこんなコメントを残していた。