1番人気が強いプロキオンS。だが今年は差し馬の中に逆転候補がいる (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、2走前にオープン入りを決めたばかりのアディラート(牡5歳)を推す。

「昇級初戦の前走、欅S(5月25日/東京・ダート1400m)で4着と好走。以前に抱えていたゲート難が解消されたことと、ブリンカーが効いているのか、走りに集中できていることが、最近の好成績につながっています。以前ほど、揉(も)まれた状況での脆(もろ)さが見られなくなった点からも、精神的な成長が感じられます」

 重賞勝ちはないものの、昨年の3月にはドバイに遠征してゴドルフィンマイル(UAE・ダート1600m)で3着と健闘。3歳時には、UAEダービー(12着。UAE・ダート1900m)にも挑んだ素質馬だ。

「国内の重賞は初挑戦となりますが、格負けすることはないでしょう。テン乗りとなる酒井学騎手も、この中間は追い切りに乗って好感触をつかんでいます。

 中京コースは、3戦して1勝、2着1回(着外1回)という相性のよさも心強い限りです。発馬をしっかり決めて、流れに乗れれば、好勝負も可能と見ています」

 大西記者ももう1頭、ミッキーワイルド(牡4歳)の名前を挙げた。

「連勝を飾った近2走が好内容。とりわけ、前走の3勝クラス(旧1600万下)・麦秋S(6月2日/東京・ダート1400m)は圧巻でした。4馬身差の大勝で、持ち時計も大幅に詰めて、本格化を感じさせるものでした。

 今回はダート重賞初挑戦で、一気に相手は強化されますが、今の充実ぶりなら、十分に通用していいはず。好位でも、控えても競馬ができる自在性は強みで、中間の気配も申し分ありません」

 昨秋からダート路線に転向すると、7戦2勝、2着4回、3着1回。一度も凡走がなく、ダートでは底を見せていない。

「以前は、真っ直ぐ走れなかったり、もたれたりして、勝ち切れない甘さのようなものがありましたが、ここに来て、心身ともに成長。それら不安も解消されて、競馬の安定感は増しています。昇級で過剰人気にならなさそうなここは、大いに狙い目でしょう」

 夏のボーナスをさらにアップさせてくれる馬が、ここに挙げた4頭の中にいるかもしれない。

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