「1強」か「3強」か。日本ダービーを読み解く3歳牡馬ランキング (5ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Yoshifumi Nakahara/AFLO

 今回のランキングは、上位3頭以外はほぼ横並び。その評価においては、4位のランフォザローゼスを含めて「強いて挙げるなら......」といったニュアンスが強い。そのため、5位にはリオンリオンアドマイヤジャスタ(牡3歳/父ジャスタウェイ)、ダノンチェイサー(牡3歳/父ディープインパクト)と、低ポイントで3頭の馬がランク入りした。

土屋氏
「青葉賞を制したリオンリオン。晩成型が勝ちやすい500万特別・大寒桜賞(3月24日/中京・芝2200m)の勝ち馬で、ランフォザローゼス同様、これからの馬だと思います。それでも、つなぎが固かった母アゲヒバリとは違って、弾力のある質のいいフットワークを見せており、その点には引きつけられるものがあります。

 気になるのは、今年に入って月1走ペースで使われてきていること。はたして、余力がどこまで残っているのか......」

吉田氏
「ホープフルS2着のアドマイヤジャスタですが、オープン特別のすみれS(2月24日/阪神・芝2200m)で2着、皐月賞で8着という結果に終わって、評価を下げた印象があります。ただ、ともに敗因は明確です。

 馬格のあるジャスタウェイ産駒で、速い脚より、長く、しぶとい脚が使えるタイプゆえ、すみれSでは6頭立てのスローペースに切れ負けしたもの。皐月賞は、外枠でポジションが取れず、勝負どころから直線前半でも前が詰まって動けなかったのが、着順を悪くした要因でしょう。

 理想はホープフルSのような、早めに踏み込んでいける形で、脚質的には東京コースは向くと思います。ある程度前に出していっても折り合いを欠くことはないので、前々で流れに乗れれば、サートゥルナーリアの2着になった力を見直さないわけにはいきません」

木南氏
「ダノンチェイサーについては、500万特別・こうやまき賞(1着。12月1日/中京・芝1600m)で好走した馬のその後(の活躍)がすごかったため、早くから注目していました。ダービーでは、前走のNHKマイルCで4着に敗れ、鞍上も交代(川田将雅騎手→ブレントン・アヴドゥラ騎手)とあって、人気は落とすと思いますけど、渋いタイプのディープインパクト産駒で、距離はいけるのではないかと思っています」

 競馬ファンをはじめ、競馬に携わる誰もが胸を躍らせる"競馬の祭典"日本ダービー。今年は、どんなドラマが待ち受けているのか、ゲートインまでまもなくである。

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る