日本ダービー、サートゥルナーリアは本当に「テッパン」なのか
「各陣営とも、建前上は『うちの馬にもチャンスがある』とか、『逆転可能』とか言っていますけど、本音は違います。みんな、戦う前から白旗を上げています」
関西の競馬専門紙記者がそう語り、各陣営が一目置いている馬とは、3歳牡馬の「一強」と称されるサートゥルナーリアのことだ。
今週末に行なわれる第86回日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)。すでに関西の厩舎関係者の間では、サートゥルナーリアには「どうやっても勝てない」「勝負あった」といった空気が流れているという。
前走の皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)では、2着ヴェロックス、3着ダノンキングリーとは同タイムで、アタマ、ハナ差の接戦だった。だが、それほど際どい勝負であっても、あのレースを見て、2着、3着の馬が「ダービーでは(サートゥルナーリアを)逆転できる」と思った人は、そう多くはないはずだ。
形のうえでは接戦だったが、サートゥルナーリアと、2着、3着となった馬の間には、そう思わせるほどの、着差には表われない能力的な開きが感じられた。
まさにそのことを、ダービーに管理馬を出走させる各厩舎関係者はひしひしと感じている。ゆえに"お手上げ"状態だというのだ。
皐月賞を制したサートゥルナーリア 振り返れば、サートゥルナーリアにとって皐月賞は、昨年暮れのGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)以来の休み明け。トライアルを一戦も使わないという異例のローテーションだった。
そして、年明け初戦が皐月賞という馬が、過去に皐月賞を勝ったことは一度もない。そのため、戦前には「サートゥルナーリアに取りこぼしがあるとすれば、皐月賞」と言われた。
しかし、そんな"ハンデ"さえものともせず、サートゥルナーリアは皐月賞を勝利。見事、単勝1.7倍という断トツの人気に応えた。
その事実が、サートゥルナーリアの、競走馬としての底知れない強さを物語っている。
さらに、皐月賞前とは違って、今度は事あるごとに「順調」「絶好調」といった様子が伝わってくる。実際に前出の専門紙記者も、サートゥルナーリアの順調さについてこう証言する。
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