大荒れの前哨戦→スプリングSも濃厚。
今の中山好き3頭が波乱を生む

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 3歳クラシックの前哨戦が相次いで行なわれているなか、今週は上位3着までにGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)への優先出走権が与えられるトライアル戦、GIIスプリングS(中山・芝1800m)が行なわれる。

 このレースの過去10年の結果を見ると、1番人気は4勝、2着3回、3着2回、着外1回と安定した成績を残している。3連単でも10万円以上の高配当がないことから、穴党の出番はないように思える。

 だが、今年はここまでに行なわれた3歳牡馬の重賞5レースで、いずれも1番人気が敗戦。そのうち3レースで3連単の配当が10万円超えと、"大荒れ"の傾向となっている。今回もその流れを受け継ぐ可能性が高く、穴狙いに徹するのも悪くない。

 下馬評では、これまで4戦3勝のファンタジスト(牡3歳)が1番人気と目されている。ただ、今回は年明け初戦。GI朝日杯フューチュリティS(2018年12月16日/阪神・芝1600m)4着以来の出走とあって、同馬については不安視する声も多い。日刊スポーツの松田直樹記者も、「この馬こそ、危険な人気馬という気がします」と語る。

 まず、懸念されるのは距離。松田記者が続ける。

「ファンタジストは1200m戦でデビューし、続くGIII小倉2歳S(2018年9月2日/小倉・芝1200m)も勝って2連勝。以降も1ハロン(200m)ずつ距離を延ばして、GII京王杯2歳S(2018年11月3日/東京・芝1400m)を快勝し、朝日杯FSでも4着と好走していますが、今回はさらにもう1ハロン延びる1800m戦というのが気になります。

 前走・朝日杯FSでは、鞍上の武豊騎手がなんとか折り合いをつけて、メンバー2位の上がり33秒9という末脚を引き出してのもの。あれがギリギリといった走りからすると、やはり距離の"壁"を感じざるを得ません。

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