GI馬5頭が集う中山記念は、この舞台が最もハマる皐月賞馬が面白い (3ページ目)

 その他、中山記念に出走するGI馬は、スワーヴリチャード(牡5歳)、エポカドーロ(牡4歳)、先にも触れたステルヴィオ、そしてラッキーライラック(牝4歳)の4頭。昨年の大阪杯の覇者スワーヴリチャードは、今年はこのあとドバイ遠征の予定で、GIドバイシーマクラシック(芝2410m)に向かうようです。

 ここはそのステップレースとなりますが、基本的に右回り、それも中山コースに対する懸念材料はいまだに残るため、割引が必要でしょう。大阪杯で見せたような"まくり"がうまく決まればチャンスはありますが、はたして......。

 ラッキーライラックも、アーモンドアイとの差を考えると、厳しい戦いになるのではないでしょうか。今回は石橋脩騎手に手綱が戻るようなので、心情的には応援したいのですが......。

 ステルヴィオは、丸山元気騎手が鞍上を務めます。この起用は、大抜擢と言えますね。こういうときは、ジョッキーの心理として"勝負どころ"となり、力が入るところです。丸山騎手は、先週のGIII小倉大賞典を勝ったばかりで勢いもありますし、無視できないと思います。

 残る1頭は、昨年の皐月賞馬エポカドーロ。やや地味な存在で、意外と人気を落としそうですが、この馬こそ、侮れないと思いますよ。

 皐月賞を勝ったこともあって、以降はクラシックロードを歩んできましたが、基本的にはマイラー色が濃く、マイルから2000mぐらいの距離が合っているように見えます。そういう意味では、今回の1800mはベストでしょう。

 加えて、速い上がりが必要な東京コースよりも、小回りにも対応できる器用な脚が使える分、中山コースのほうが合っています。事実、同コースでは2戦1勝、2着1回という実績もありますから、今回の舞台は同馬にとってピッタリだと思います。

中山コースとの相性がいいエポカドーロ中山コースとの相性がいいエポカドーロ 大阪杯(3月31日)への叩き台ではあると思いますが、自信をつけるためにも、それなりに仕上げていきているはず。ここで勝てば、一躍大阪杯での主役候補となるでしょう。そんな期待がもてるエポカドーロを、今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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