偉大すぎるスプリント王と女王の子。カレンモエの潜在能力に期待大だ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

厳選!新馬情報局(2019年版)
第35回:カレンモエ

 競馬における"スピード勝負"と言えば、芝1200mで行なわれるスプリント戦である。その舞台において、ライバル関係にあり、ともに輝かしい実績を残した牡牝の名スプリンターから生まれた子どもがいる。

 栗東トレセンの安田隆行厩舎に所属するカレンモエ(牝3歳/父ロードカナロア)である。

 彼女の母は、2011年から2012年にかけてスプリントGIを2勝したカレンチャン。4歳春、2011年2月の段階ではまだ1600万下の身だったが、同条件の特別レースを制すると、そこから驚異的な快進撃を見せた。

 続くGII阪神牝馬S(阪神・芝1400m)で重賞初制覇を遂げると、そのまま重賞を3連勝。さらにその勢いはとどまることなく、強豪・外国馬をはじめ、歴戦の牡馬を相手に回して、GIスプリンターズS(中山・芝1200m)までも快勝し、怒涛の5連勝を飾って初のGIタイトルを手にしたのだ。

スプリントGIを2勝しているカレンモエの母カレンチャンスプリントGIを2勝しているカレンモエの母カレンチャン そして翌2012年も、春のGI高松宮記念(中京・芝1200m)で優勝。"スプリント女王"の力を存分に見せつけた。

 しかしその年の秋、連覇を狙ったスプリンターズSでは2着に惜敗。ひとつ年下の牡馬に後塵を拝すことになった。

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