2強に注目集まる根岸Sだが、
異色の存在2頭が波乱を起こすかも... (3ページ目)
さて、今年は異色の存在が2頭出走します。地方競馬の南関東から中央競馬へ転厩してきたクロスケ(牡4歳)と、その南関東所属のまま参戦するキタサンミカヅキ(牡9歳)ですが、この2頭を今回の「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。
クロスケは、昨年の南関東クラシック戦線で上位争いを演じた1頭です。羽田盃(大井・ダート1800m)で5着、東京ダービー(大井・ダート2000m)では3着と健闘しました。
さらに、地方交流重賞のGIジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)でも、7着と奮闘。勝ったルヴァンスレーヴ(昨年末のGIチャンピオンズC覇者)から1秒、2着オメガパフューム(年末の地方交流GI東京大賞典で優勝)からはコンマ7秒、そして5着テーオーエナジー(現在ダートのオープン特別を2連勝中)からは、わずかコンマ5秒差でした。
これら上位メンバーからは、一枚力は落ちるとしても、ここなら上位を賑わすような走りができると思います。根岸Sでの大駆けが期待されるキタサンミカヅキ 片や、キタサンミカヅキは前走カペラS(3着)に続く中央参戦。そのカペラSを見る限り、以前よりも好位置を取れるようになっていました。そうした状況にあって、距離が延びる今回のほうが、かえって脚を溜められそうですし、直線の長い東京のほうが、より高いパフォーマンスを発揮できるのではないでしょうか。
鞍上は、主戦の森泰斗騎手。昨年は285勝を挙げて、ぶっちぎりで南関東リーディングを獲得した、南関東のトップジョッキーです。この週中にも、交流重賞で好騎乗を見せて、伏兵を勝利に導いています。今、とにかく乗れている印象がありますから、ますます一発への期待が膨らみます。
斤量58kgというのは楽ではありませんが、この馬自身は背負い慣れていますから、それほど心配はいらないでしょう。いい位置を取れるようになった今のキタサンミカヅキにとって、今回は絶好の舞台です。
南関東の馬で、この斤量、さらに9歳馬と高齢ゆえ、人気はなさそうですが、侮れない1頭だと思います。
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著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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