1年の総決算。有馬記念は今年強かった4歳、しかも牝馬で決まり

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 競馬ファンにとっての"ドリームレース"GI有馬記念(12月23日/中山・芝2500m)が今年もやってきました。1着賞金はジャパンCと並ぶ国内最高の3億円。関係者にとっても、まさしく"ドリームレース"と言えます。

 GIジャパンC(11月25日/東京・芝2400m)を制したアーモンドアイこそ出走しませんが、平地GI馬が7頭に、障害レース界では無敵を誇るオジュウチョウサン(牡7歳)も参戦。話題の多いグランプリとなりましたね。

 まずは、その話題の中心となっているオジュウチョウサンについて触れたいと思います。

 正直、前走の1000万特別・南武特別(11月3日/東京・芝2400m)の勝利には驚かされました。2走前の開成山特別(7月7日/福島・芝2600m)は、最下級(500万下)の条件戦でしたし、渋った馬場(当日はやや重)への適性があると見ていたので、あっさり勝ったのも頷けますが、前走の舞台は東京。速い上がりが必要なコースですから、分が悪いと思っていました。

 それが、ふたを開けてみれば、先行して最後の上がり3ハロンも34秒5でまとめて見事な勝利を飾りました。

 それまでの障害レースにおける上がりは、どんなに速くても36秒台。その分、劣勢と見ていたのですが、普段は60kgを超える過酷な斤量を背負って、長い距離を走ってのことですからね。平地であれば、それだけの末脚を秘めていた、ということなのでしょうか。少しオジュウチョウサンへの見方が変わりました。

 そうは言っても、前走はまだ1000万下。今回はふたクラス上のオープン戦で、しかも選りすぐりの好メンバーがそろうGIの中のGIです。普通に考えれば、厳しい戦いになるでしょう。

 もちろん、東京コースよりは中山コースのほうが善戦はできそうですし、道悪は得意だと思われるので、雨が降って時計がかかるようなら「ひょっとして......」という淡い期待もできますが、はたして......。

 また、中山グランドジャンプのような4000mを超える距離を、障害を飛越しながら走ってきても、最後まで衰えない末脚があることを考えると、相当早い段階でスパートして後続を引き離す、という手は考えられます。極端な話、他の馬が折り合いに気をつける1周目のスタンド前、そこでペースが緩むので、そこからロングスパートをしかけて、コーナーを回った向こう正面で後続を大きく引き離していれば、「もしかしたら......」という感覚はあります。

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