エリザベス女王杯は「幸薄い2頭」がこれまでのうっぷんを晴らす (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 同馬は体質の弱さもあって、なかなか順調に使えませんでしたが、その間も我慢して調整を重ねてきたことで、昨秋ぐらいから結果を出せるようになりました。ただ、今春にオープン入りしたあとも、GII目黒記念(5月27日/東京・芝2500m)を使う予定でしたが、ここでも不安が出て回避。いまだ本格化とは言えませんが、前走の丹頂S(9月2日/札幌・芝2600m)でも決して完調ではないなかで、2着と好走して力を見せています。

 しかも今回は、デビュー以来1、2を争ういい状態で出走できる運び。距離もぴったりですし、かなりのチャンスと見ています」(木村記者)

「クラブ馬のコルコバードは、6歳春の引退が迫ってきています。そして今回、長い下積みから大事に使ってきて、ようやく重賞初挑戦という状況を迎えます。そんな同馬に関しては、忘れられない思い出があります。

 それは、3歳春のこと。フェアリーS、フラワーC、フローラSと、重賞で3回も除外を食らった"薄幸な女"ということです。3歳春で3度の除外はなかなかない記録だと思います。体質の弱さ、とくにツメの問題を抱えていたことも、幸の薄さを感じます。

 それでも、大事に、大事に、厩舎や牧場が育ててきた馬。1週前の動きは、抜群によかったです。輸送を控えた今週もしっかり攻めていて、一発あってもおかしくない状態で、それだけの能力がある馬だと思います。

 GIゆえ、展開も大事になりますし、さまざまな要素を冷静に分析する必要がありますが、その結果『勝算あり』と思えば、◎を打ちたいと思っています」(木南記者)

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