前哨戦は惨敗のエポカドーロ。
菊花賞は「問題」解決で買い、となるか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 神戸新聞杯(9月23日/阪神・芝2400m)のエポカドーロ(牡3歳)にはがっかりした。

 単勝2.7倍。ダービー馬ワグネリアンを差し置いての1番人気だったのである。

 皐月賞馬で、ダービー(5月27日/東京・芝2400m)で2着という世代最上位の実績。加えて、ここが秋初戦ながら、調整は順調。前に行って押し切るという安定感たっぷりの戦法。さらには、主戦・戸崎圭太騎手への信頼など、"買い"の材料はいくつもあって、それがその高いファンの支持となった。

 しかし、結果は勝ったワグネリアンから、3馬身ちょっと離されての4着。それも、惜敗とか、次に期待を抱かせるといった内容ならまだしも、ほとんど見せ場のない4着だったのだ。

 最後の直線で、最後方から追い込んできた2着エタリオウに、抵抗する間もなくかわされ、引き離されていく姿は「情けない」という感じすらした。

 無論、エポカドーロ陣営にも、あの敗戦については言い分がある。

 ひとつには、ここはあくまでも前哨戦であり、何が何でも勝たなければいけないレースではなかったこと。したがって、仕上げがよく言う"余裕残し"のトライアル仕様だったことだ。

 しかも、これが一番大きい敗因だが、逃げ・先行の戦法で勝ってきた馬が、スタートでつまずいて、位置取りが予想もしなかった後方になってしまった。

 エポカドーロを管理する藤原英昭調教師は、レース後にこうコメントした。

「スタートがすべてだった」

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